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40コアの計算能力とインメモリー技術を駆使し、データ分析を高速化する「Oracle Exalytics」

2012年5月11日(金)栗原 雅(IT Leaders編集部)

日本オラクルは2012年3月27日、データ分析専用機「Oracle Exalytics In-Memory Machine」を発表した(写真)。多コアのプロセサと大容量メモリーを搭載したハードウェアに、ビジネスインテリジェンス(BI)ソフトやインメモリーデータベースソフトを実装し、処理性能を最適化したアプライアンス製品。多次元データ分析に要する時間を約90倍、分析結果のチャートなどで構成するダッシュボードの表示性能を23倍に高められるという。同日開催した説明会で三澤智光専務執行役員は「他社に比較対象になる製品は存在しない」とぶち上げた。

写真 日本オラクルのデータ分析専用機「Oracle Exalytics In-Memory Machine」
写真 日本オラクルのデータ分析専用機「Oracle Exalytics In-Memory Machine」

[構成と主な特徴]
InfiniBandでI/O遅延一掃
処理の並列度を16倍に向上

 Exalyticsは3Uサイズのラックマウント型サーバー「Sun Fire」に、10コアのインテル製プロセサ「Xeon E7-4800」を4個と、1テラバイトのメモリーを搭載している。データ転送速度が毎秒40ギガビットのInfiniBandを採用することにより、データベースサーバーからBIシステムへ分析対象データを取り込む際のI/Oのボトルネック解消を図った。InfiniBandのポートを2個備えており、一方に障害が発生した際にフェイルオーバーが可能。複数台のExalyticsを用いてクラスタを構成するときのネットワークにもInfiniBandを使える。

 このハードウェアに、複数の機能からなるBIソフト「Oracle Business Intelligence Foundation Suite」と、Exalytics向けに機能強化したインメモリーデータベースソフト「Oracle TimesTen In-Memory Database for Exalytics」を実装している。

 前者は、事前に設定した多面的な切り口でデータ分析する多次元データ分析や、必要に応じてデータにアクセスして分析するアドホック分析、ダッシュボード生成、分析レポート作成など、BIシステムに求められる機能をひと通り備える。このうち例えば多次元データ分析について、処理の並列度を8多重から128多重へと16倍に向上。分析や更新処理を高速化すると同時に、ダッシュボードの表示性能を向上させた。さらに、分析レポートの利用履歴に基づいて、使用頻度が高いデータをインメモリーデータベースに保存するよう管理者に示唆する機能を併せ持つ。

 後者は、データ圧縮機能を備えている。数テラバイト規模のデータを圧縮して1台のExalyticsに格納すれば、単体でインメモリー型のデータウェアハウスを構築できるとしている。加えて、圧縮したデータを解凍せずに操作することで、分析処理のいっそうの高速化が図れるという。

 参考価格はハードウェア部分が約1500万円、ソフトウェアが100ユーザーで約5000万円から。

[Fusion Applications]
100種の機能をSOAで連携
全日空系LCCが国内初採用

 日本オラクルはExalyticsの発表から2日後の29日、100種類以上におよぶすべての機能モジュールをJavaで開発した新たな業務アプリケーション群「Oracle Fusion Applications」を発表した。会計と購買・調達、サプライチェーン管理、CRM(顧客関係管理)、人材管理、内部統制・リスク管理、プロジェクト管理の7つの製品で構成する。各製品の機能モジュールをSOA(サービス指向アーキテクチャ)基盤を介して連携させ、統合アプリケーションを構築できる。スマートデバイスからも操作可能なほか、ユーザー間のコラボレーションを支援するソーシャルネットワーク機能を持つ。

 Fusion Applicationsはオンプレミス型システムやプライベートクラウドでの利用はもちろん、日本オラクルが提供するパブリッククラウドサービスとしても使える。パブリッククラウドサービスとしてはまず、人材管理とCRMの提供を開始。国内第1号ユーザーとして、全日本空輸などが出資する格安航空会社(LCC)であるPeach Aviationが、人材管理システムを採用した。 (栗原)

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