[木内里美の是正勧告]

モバイル考察─BYODに向け仕組み作りを!

2012年5月14日(月)木内 里美(オラン 代表取締役社長)

進化し続けるITの本質や価値、役割は、いろいろな切り口で語られてきた。科学技術は人類の生活に役立ち、生活を豊かにし、人々に幸福感や満足感を与えるものでなければならない。しかし科学技術が高度化し複雑になるに伴って生活環境を変え、その影響を受ける人々が必ずしもハッピーではない現象も起こる。

病から人を救うことを目的として開発される薬には、少なからず薬害がある。農作物の収穫を上げ、豊かさを求めるための化学肥料も同じだ。肥料依存で脆弱になった作物を農薬で守る農法が食の安全を問われている。医療も農業も原子力発電の問題も、利害得失を伴いながら、創りだすのもそれをコントロールするのも科学技術であり、人であるところに特徴がある。

現場で働く人のITとは?

企業のITは活動の効率を追求し、事業の生産性や利益を高める道具として使われてきた。確かに日々の業務効率は格段に上がっているが、働く人々がハッピーかははなはだ怪しい。製造業にしろ、流通業にしろ、サービス業にしろ、多くの労働者はフィールドで活動している。本当に現場で働く人のITになっているのかは疑わしい。

効率化された業務処理の一方で、なぜか忙しさも増えている。ITを使っているのか、ITに使われているのか定かでない。帰社してから残業で入力や管理業務をしていたりする。サテライトオフィスやホームオフィスは実現可能であっても、未だ試行の域は出ていない。直行直帰を含むワークスタイルの変革も進んでいない。変革の1つのキーワードが、モバイル活用ではないかと筆者は常々感じている。

PC持ち出し禁止の“愚”

筆者は常にPCを持ち歩いている。出歩くことが多いので、モバイル環境があればどこでも仕事が出来る。「後で」が「その場で」に替わり、処理効率が飛躍的に向上する。帰社後とか翌日に事務所で処理をしていたら、本来の仕事に時間を割けなくなる。

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