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富士通、農業経営を可視化するSaaSを発表

2012年7月20日(金)IT Leaders編集部

富士通は2012年7月18日、米・野菜などの農産物の生産プロセスにかかわるデータを管理・集計するSaaS「食・農クラウドAkisai」を発表した。同年10月に提供開始する。

 Akisaiは、「生産マネジメント」と「集約マネジメント」の2アプリケーションをサービスとして提供する。生産マネジメントの主な機能は、生産・作業・出荷計画のほか、作業実績やコストの集計である。

 具体的な使い方として、現場の作業者は、スマートフォンやタブレットを使って畑における日々の作業実績や作物の生育情報といったデータを入力する。写真をコメント付きで投稿することも可能。畑にセンサーを設置すれば、気温や湿度、日射量なども収集できる。

 管理者は、クラウド上に収集したデータを事務所のパソコンで分析。予実管理に生かすほか、今後の営農計画へ反映させる。エリアごとの品質や作業コストを見える化できるため、客観的な数字に基づく経営判断が可能になり、収益や効率性を高められるという。

 実際、サービス開始に先駆けて実施した実証実験で、次のような効果が出た。宮崎県の新福青果は、キャベツの収穫量を30%増やした。和歌山県のミカン農家である早和果樹園は、個別の樹木状態に応じて改善策を施すことにより、果実の糖度をアップさせた。

 集約マネジメントは、生産者から収穫物を仕入れるJAや流通、外食業者向けのサービス。複数の生産者が入力した生産マネジメント上のデータを見ながらの品質管理や需給調整、作付けごとの状況把握といった機能を提供する。仕入れの時期や量、品質、価格が予測可能になるため、機会損失や廃棄ロスを削減できる。

 Akisaiのサービス価格は、生産マネジメントが月額4万円(5ユーザーID)からで、追加分は1ユーザーIDあたり8000円。別途、5万円の初期費用がかかる。集約マネジメントは、10生産者で月額10万円から、初期費用は5万円から。追加分は10生産者あたり1万円。今後、販売管理や出荷管理といったアプリケーションを追加していくという。

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