[アプリケーション基盤の新標準~真の“クラウド対応”に求められる要件を探る~]

アプリケーション基盤の進化形「クラウドアプリケーションプラットフォーム」の姿に迫る

2012年8月3日(金)

〜真の“クラウド対応”は、リソース消費を極限まで最小化した軽量かつ高速なアプリケーション基盤から始まる〜 さらなるスピードと柔軟性が求められるこれからのビジネスにおいて、ITリソースをより効率的に活用できるクラウドが不可欠であることは言うまでもない。しかしながら、今日の企業が利用しているアプリケーション基盤は、必ずしもこのクラウド時代にマッチしていないことにお気付きだろうか。本稿では、その理由を明らかにするとともに、今後のアプリケーション基盤が進むべき道筋として、「クラウドアプリケーションプラットフォーム」への進化を展望する。

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クラウドが引き起こすITのパラダイムシフト

 21世紀の直前から始まった、メインフレームからオープンへ、さらにはUNIXからLinuxへという潮流は、企業ITのスタンダードとして完全に定着した感がある。最近では、ミッションクリティカルな業務システムにオープンソースソフトウェア(OSS)を採用する例もすっかり珍しくなくなった。

 こうした企業のOSS志向をさらに加速させているのが、仮想化技術の進化とクラウドコンピューティングの普及である。CPUの高速化やメモリーの大容量化、さらにはネットワークの広帯域化が着実に進んできたなかで、各種ITリソースを個々に分断して仮想的に利用できるというIT環境の変化がもたらされた。そして、この仮想化技術の普及が効率的なITリソース活用を実現するクラウドにつながってきた。

 クラウドコンピューティングは、ITの世界にまさにパラダイムシフトを引き起こしており、すべての企業は自社のIT環境について一からの見直しを迫られていると言っても過言ではない。そうしたなかで、とりわけ注意したいのが、自社で利用しているアプリケーション基盤が、本当にクラウドに適しているかどうかという点である。

“重量級”アプリケーションサーバーの限界

 アプリケーション基盤もまた、メインフレームからクライアント/サーバー、オープン系OLTP(On-Line Transaction Processing)、そして現在のJava EEアプリケーションサーバーや.NETといったWebアプリケーション基盤へと変化の歴史を辿ってきた。近年ではBPM(Business Process Management)基盤やSOA基盤のような高付加価値を提供するアプリケーション基盤も利用されている。

 なかでも、アプリケーションサーバーの代名詞と言えるほど広く普及しているのが、Java EEアプリケーションサーバーである。これまでに数多くのJava EEアプリケーションサーバーがさまざまなベンダーからリリースされており、そのどれもがユーザーニーズに応えるべく数多くの機能を実装してきた。そのなかでJava EEアプリケーションサーバーは、より多くのITリソースを消費するようになり、いわば“重量化”の道を歩んできたのである。

 “重量級”アプリケーションサーバーであっても、潤沢なITリソースの確保が比較的容易なオンプレミス環境であれば、運用において特に支障はなかった。ところが、クラウド環境には決して適してはいないのである。そもそも効率的なITリソース活用を狙いの1つとするクラウド環境を、大量のリソースを消費する重量級アプリケーションサーバーで構築しようとする矛盾は、誰しも容易に気がつくはずだ。

 具体例を挙げてみよう。クラウド環境の代表的なメリットは、ITリソースの有効活用と仮想マシンの伸縮性能(Elastic Capability)である。重量級アプリケーションサーバーで軽快に動作しているオンプレミス上のアプリケーションをクラウド環境に移設した場合、当然、アプリケーションサーバーに割り当てるITリソースの比重が大きくなる。しかも、クラウド環境の多くは、メモリーなどITリソースの利用料がそのままコストに跳ね返る。

 つまり、重量級アプリケーションサーバーのクラウド環境への移設は、アプリケーション基盤を軽快に動作させるために、表に現れない比較的大きなコストがアプリケーションサーバーから発生しているのである。

 また、クラウド環境下では、その伸縮性能を活かし、仮想マシンの起動と停止を頻繁に行うケースも想定されるが、重量級アプリケーションサーバーはそうした起動・停止の際にも長い時間が必要となってしまい、サービスレベルの低下を招いてしまう可能性さえある。

 このような理由で、クラウド化が進む今日の企業IT基盤として、従来の重量級アプリケーションサーバーは賢明な選択とは言えないのだ。今求められているのは、クラウド環境に最適化された「クラウドアプリケーションプラットフォーム」なのである。

IT Leadersでは、特別企画「アプリケーション基盤の新標準~真の"クラウド対応"に求められる要件を探る」を公開しています。ぜひご覧ください。
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アプリケーション基盤の進化形「クラウドアプリケーションプラットフォーム」の姿に迫る〜真の“クラウド対応”は、リソース消費を極限まで最小化した軽量かつ高速なアプリケーション基盤から始まる〜 さらなるスピードと柔軟性が求められるこれからのビジネスにおいて、ITリソースをより効率的に活用できるクラウドが不可欠であることは言うまでもない。しかしながら、今日の企業が利用しているアプリケーション基盤は、必ずしもこのクラウド時代にマッチしていないことにお気付きだろうか。本稿では、その理由を明らかにするとともに、今後のアプリケーション基盤が進むべき道筋として、「クラウドアプリケーションプラットフォーム」への進化を展望する。

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