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[新製品・サービス]

アマゾンウェブサービスがデータアーカイブ用途の「Glacier」を国内展開へ

2012年8月30日(木)

アマゾンウェブサービス(AWS)の日本法人、アマゾンデータサービスジャパンは2012年8月24日、企業向けのデータアーカイブサービス「Amazon Glacier(アマゾン・グレイシャー)」の説明会を開催した。

Glacierは米AWSが2012年8月21日に発表した新サービスで、アーカイブデータを格納するためのストレージ領域を提供するもの。例えば、決算関連書類や医療データ、3D-CADの図面や映像コンテンツなど、アクセス頻度が低く、サイズが大きなデータを長期保管する用途に最適化している。

従来、ストレージサービスとして提供してきた「Amazon S3」が、保管したデータをいつでも好きな時にすぐ取り出せるのに対し、Glacierからデータを取り出すためには数時間かかる(詳細は後述)。その代わり、利用料金はS3の約10分の1に抑えている。「氷河」に由来するサービス名の通り、“長期間に渡ってデータを凍らせておく”ためのインフラである。

ストレージとしての信頼性はS3と同じ。データは3カ所以上の拠点の、複数の装置に保存。定期的にデータの整合性をチェックし、問題を発見した場合には自動的に回復処理を施す。年間平均の耐久性は99.999999999%。データを保存したストレージが全て同時に障害を起こす確率である。

「1万個のファイルを1000万年保管した時に、そのうち1つが消えるかどうかの確率」(アマゾンデータサービスジャパンの玉川憲エバンジェリスト)。それでも念を入れたい場合は、異なる2つのリージョンに同一のデータを保存するといった使い方もできる。

以下、もう少し具体的にサービスの利用イメージを見てみよう。まず、利用者は「ボルト(Vault)」と呼ばれる保存領域を作成する。これは、Windowsでいうところのフォルダにあたるもの。ボルト単位でアクセスを制御できる。

例えば、他の利用者と共有したり、アクセス可能なIPアドレスを限定したりといった制御が可能だ。これらは専用のWebコンソールから行える。次に、ボルトにデータをアップロードする。アップロードするサイズに制限はない。ただし、Webコンソールは用意されておらず、専用のSDKやAPIを用いる必要がある。

一方、データをダウンロードする場合はどうか。まず、利用者は「リトリーブ」と呼ばれる処理を行わなくてはならない。これは、データをダウンロード可能な状態にするための準備作業。データの大きさに関わらず、3.5~4.5時間程度要する。バックエンドでどのような処理が発生するか、詳細な仕様は明かせないとのこと。ただし、こうした仕様にすることでコスト削減を実現しているという。例えば、ネットワークインフラを間引くことで、アクセスの利便性を犠牲にする代わりに、料金を下げるといった取り組みをしているようだ。「それでも、テープからデータをリストアするために数日要することを考えれば、かなり短い時間と言えるだろう。ユーザー企業からの評価も高い」(玉川氏)。

料金は、大きく4つある。1つめは、ストレージの使用料金。保存するデータの容量に応じて支払う料金である。東京リージョンの場合、データ1GBあたり月額0.012ドル。

2つめは、リクエストの料金。Glacierに対して、データのアップロードや、ダウンロードの要求をすると発生する。こちらは、リクエスト1000回あたり0.06ドル。

3つめは、データを取り出す際の準備料金。Glacierからデータを取り出すための準備、リトリーブに対して支払う料金である。1GBあたり0.012ドルかかる。ただし、毎月、格納容量の5%までは無料。

4つめは、データのダウンロード費用。AWSの外にデータを持ち出す際に発生する。料金はEC2やS3などと同じ。例えば、月のダウンロードしたデータ量が10TB以下の場合は、1GBあたり0.201ドルを支払う。同一リージョン内のEC2やS3などにデータを移動させる場合は、ダウンロード料金は発生しない。

この他、データをアップロードしてから90日以内に削除すると、1ドルあたり0.036ドル課金される。なお、データのアップロードには課金されない。

例えば、東京リージョンに1000GBのデータを保管。毎月1回だけ、AWSの外部にデータを40GB取り出す場合、ストレージの利用料金12ドル(0.012ドル/GB×1000GB)と、リクエスト料金0.06ドル(1000回以下)、外部へのダウンロード費用8.04ドル(0.201ドル/GB×40GB)が発生する。合計で20.1ドル、1ドル80円換算で毎月1600円程度の費用が発生する計算となる。

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