[シリコンバレー最前線]

シリコンバレーで広がる“大学離れ”の動き

2012年10月23日(火)

若者の企業を教育機関や投資家が支援 ビル・ゲイツにポール・アレン、スティーブ・ジョブス、スティーブ・ウォズニアック、マーク・ザッカ—バーグ…。IT業界において、革新的なビジネスを生み出してきたのは20歳代の若者だった。シリコンバレーでは今、起業を志す十代を手厚く支援している。

最近のスポーツ界では十代の若者の活躍が目覚ましい。夏のロンドン・オリンピックにおいて体操女子個人の金メダルを獲得した米国のギャビー・ダグラスは16歳、女子水泳のミッシー・フランクリンは17歳。日本の女子体操団体は惜しくも8位に終わったが、安定した演技でチームを決勝まで引き上げたのは16歳の寺本明日香だった。水泳の400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した萩野公介は17歳である。

こうした“若さ力”は、スポーツに限らない。ビジネスの世界でも、既成概念にとらわれない若者ならではの発想に期待や資金が集まっている。昨年に引き続き、Xeroxパロアルト研究所で8月に開催された「Teens in Tech」に参加し、その意を強くした。

Teens in Techは、十代を対象にしたベンチャービジネスのカンファレンスである(昨年の模様は2011年10月号を参照)。今年も、自ら起業したりスタートアップ企業で活躍しているティーンエイジャー10人が次々に登壇し、経験談やデモを披露した。それらに真剣に耳を傾ける参加者の様子に、若者によるベンチャービジネスがこれまで以上に盛んであることがうかがえる(写真1)。シリコンバレー周辺だけでなく、米国東海岸や英国、デンマークからも参加者が集まっていたことも印象的だった。

写真1 Xeroxパロアルト研究所で8月に開催されたTeens in Techの様子。会場には若者の熱気が満ちていた
写真1 Xeroxパロアルト研究所で8月に開催されたTeens in Techの様子。会場には若者の熱気が満ちていた

国際的な実業家にアピール

なかで興味深かったのは、フェレイラ兄妹の講演である(写真2)。2011年、兄のスコット・フェレイラ(当時20歳)は南カリフォルニア大学に通う学生だった。ある日、彼のパソコンがクラッシュしてユーザー名やパスワードを記録したファイルがすべて消えてしまった。普通なら、我が身の不幸を嘆くところだ。ところが、彼は転んでもただでは起きなかった。こうした不測の事態は誰にも起き得ること。そこで、各種の個人情報をクラウド上で管理するサービスを考え付いたのである。彼は大学をドロップアウトし、ロサンゼルスでMySocial Cloud.comを設立した。当時18歳だった妹のステイシーも、ニューヨーク大学を休学して兄の仕事を手伝い始めた。

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