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[セミナー:ストレージ選びの新基準]

戦略的ストレージ投資によるコストとワークロード削減を実現

2012年11月30日(金)

テクノロジーの転換点とも言える現在、多くのユーザー企業がストレージの選択に頭を悩ませている。ビジネスを取り巻く課題、ストレージを巡る技術の変化が急激すぎるため、限られた予算の中で何を基準にすべきなのかがつかみにくくなっていることが、その主な要因だといえる。そうしたユーザー企業の悩みに対し、ストレージベンダーとしてIBMはどんな解を提示しているのだろうか。本稿では同社の村田実氏による「ストレージ選択の新基準 - 次世代のストレージ基盤を最適化するには」と題されたセッションの内容を紹介する。

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ストレージは最後ではなく最初に選ぶべきインフラの要
〜IBMが提案する"全体論的アプローチ"に沿ったストレージ選び

村田 実 氏 日本アイ・ビー・エム株式会社
システム製品事業 ストレージ・テクニカル・セールス
部長
村田 実 氏

IBMは、過去7年以上にわたって1万5000回以上の経営者へのインタビューを実施し、CEOやCIOをはじめとする"Cクラス"の問題意識を報告書としてまとめてきた。そして2011年度の世界の名だたる企業のCIOを対象とした調査結果によれば、今後3〜5年で最も重要視している先見的なプランとして「ビジネス・インテリジェンスおよび分析」を挙げるCIOが最も多かったそうだ。つまり、ただのデータを知見(インサイト)に変えるための取り組みが、今の時代における競争力向上に欠かせないと考えているCIOが多いということになる。だがデータを実利用可能な状態にしておくことは口で言うほど簡単ではなく、村田氏は「マスターデータ管理とガバナンスは永遠の課題。対応してもすぐに環境が変わってしまう」という、ある日本企業のCIOの言葉を引用しているが、それくらいデータを活用するためには最適な環境が必要なのだ。

ここで村田氏は「情報を知見に変え、スマートに活用していくためには、大事なデータを格納するストレージの選択がビジネスを強化するために重要になる」と強調している。そして、ビジネスを取り巻く変化が急激な現在にあって、ストレージ選択のアプローチとして「中長期計画、そしてビッグデータへの対応、この2つを強く意識するべき」と続ける。基幹系、情報系、ファイル共有、コラボレーションと、それぞれの領域でインフラが垂直統合されていた10年前とは異なり、包括的なビジネスアプローチが求められる現在は、サービスの視点で各層をシンプルにモジュール化し、仮想化ですべての領域を水平的に統合する傾向にある。ストレージを選択する際はまずこのことを念頭に置く必要があるという。

その上で「中長期計画を立案するときには"いま、なぜそのストレージが必要なのか"という点を稟議書にきちんと盛り込まなくてはならない。その際、個別対応ではなく、先を見据えた選択ができていることがポイントとなる」とし、ビッグデータ対応においては「情報活用の4つのフェーズで発生するワークロード<情報の収集と管理/情報の加工と開示/情報の統制/情報統合とさらなる分析加工>へのアプローチを考慮すべき」と指摘。ストレージの選択においては、とかくハードウェアの技術的側面に着目しがちだが、もっと大局的視点を持ち、ビジネス側面から見た課題を起点に取り組む姿勢が何よりも重要性を増してくる。

村田氏によれば、現在のストレージは技術的に見て"第3世代"にあたるという。ストレージにおける最初の革新はストレージ内にキャッシュをもたせたことであり、これを実現した第1世代(1995年 - 2001年)は、高信頼性、大容量ディスク&キャッシュ、高パフォーマンスといった点が重要視されていた。第1世代から通常の進化を遂げたのが第2世代(2001年 - 現在)にあたる。多くの機能が追加され、設定インタフェースも進化し、論理層の仮想化も行われるなど、利便性の面で大いに向上した。その一方で「複雑性が高まり、専有では使いこなせるが統合というシーンになったときその複雑性がネックとなる」と村田氏。そこで2007年ごろからシンプル化や物理層までを含む仮想化といったあらたなニーズを受けて進化してきたのが第3世代ストレージになる。

第3世代の特徴はデータ圧縮に依るI/O削減やインメモリーデータベースなどに代表されるように「アプリケーションやデータベースによるディスクアクセスを極力抑える構造」を指向している点だ。そのほかにも、重複除外やリモートミラー、自動階層化、SSD採用など、ストレージを巡るテクノロジキーワードの数は多く、トレンドの流れも速い。村田氏も「お客様同様、ストレージベンダーもその動きの速さについていくのが難しい」と指摘しており、技術的側面からストレージを選んでいく難しさを強調する。

そうした中でIBMが技術的側面からストレージを選ぶ基準として挙げるポイントが「複雑性の排除」と「非機能要件の網羅」の2点だ。複雑性の排除に関しては、シンプル化による明確さ、スピード、柔軟性の向上、コスト最適化、データ統合のしやすさなどが挙げられるが、その一方でベンダーロックインが発生しやすく、新技術が登場したときに対応しにくいという懸念が生じる。またコストばかり意識すれば可用性の担保についても議論されることになるだろう。

「社内の利害関係も考慮しなければならず、複雑さの軽減はなかなか実現されない課題ではあるが、やはり長期にわたってビジネスを支えるストレージを選ぶならシンプル化は避けて通れない」と村田氏。そこで「大量の非機能要件の中からプライオリティの高いビジネス要件に沿ってピックアップし、ストレージ選択のガイドラインとする」ことを推奨している。

最後に村田氏はストレージ選択のまとめとして、「これまではビジネス要件とアプリケーションを選定してからストレージを選ぶのが常だった。また特定のアプリケーションを想定して個別最適されがちでもあった。つまりストレージは最後に選ばれるものだったが、これからは違う。ビジネスとITインフラ要件の整合性をとるためにも、ストレージは最初に選ばれるべき存在。ストレージを軸に、ITインフラの企業全体での最適化が図られるのが理想的」と結んでいる。最後ではなく最初に選ぶべきITインフラの要、それほどストレージの重要度は増していると言える。

では、ストレージベンダーとして長年の実績と先進技術、研究開発への投資を誇るIBMは、ビッグデータ時代においてどのような製品を顧客に向けて提供しようとしているのか。村田氏はIBMのストレージ戦略を「IBM Smarter Storage」と呼び、「持続継続性、生産性の向上、経営環境の変化への迅速な対応といったビジネス要件への対応において、ストレージから最大限の力を引き出し、ビジネスメリットを確立できる」と強調している。

数あるストレージラインナップの中から、村田氏は以下の5つの新製品/新機能を紹介している。

  • IBM System Storage DS8870 … 標準搭載の自動暗号化ドライブでセキュリティを大幅に強化した次世代エンタープライズストレージ。キャッシュは最大1TB、業界標準ベンチマークで1位、99.9999%以上の可用性など、従来製品から性能を3倍向上。Ultra SSDモジュールおよびEasy Tier追加機能の開発意向も表明

     

  • IBM XIV Storage System … 完全分散アーキテクチャによりワークロードを常に超並列で処理できるエンタープライズストレージ。管理のしやすさも特徴でiPhone/iPadからも操作可能。FC/iSCSIの接続性、SSDオプションなどで、ビジネス環境の変更に柔軟に対応可能。多数のフレームをシングルリソース化するHyperScaleの開発意向表明

     

  • IBM Storwize V7000 Unified … データベースやメールなどのアクティブデータをリアルタイム圧縮する「Integrated Real-time Compression」機能が5倍の性能向上を実現、ストレージの接地面積を最大80%削減可能に。Easy TierによりSSD+HDDをシングルプールとして管理し性能を自動最適化。またストレージ仮想化機能により他社ストレージを含め最大32PBまで統合

     

  • IBM System Storage TS3500 … 業界初の第6世代LTOドライブを搭載、最大1.8エクサバイトのデータが保存できるテープライブラリ。ビッグデータ用のストレージ環境として、容量が2.5倍になっただけでなく、性能は40%向上、エネルギー効率は30%以上改善を実現。バックアップやリストアにかかる時間も40%削減に

     

  • ITexas Memory Systems … 2012年9月に買収を完了。フラッシュに最適化した超高速ストレージでIBM Smarter Storageの将来の基礎となる製品。レイテンシを極限まで最小化し、IBM技術との組み合わせで可用性と効率性をさらに向上

     

いずれの製品も、効率性、自動最適化、俊敏性といった側面からビジネスの変化に迅速かつ柔軟に対応し、ビッグデータ時代を乗り切る戦略の中核となりうる製品といえる。

村田氏はさらに続けて、IBMが次世代ストレージ技術の基礎研究にも引き続き投資を行っていることを示すために、「SLEDrunner」「Easy Tier」「XBand」「GPFS(General Parallel File System)」といった技術を紹介した後、IBM Researchの直近の成果として、オープンソースによるクラウド最適化を支援する「OpenStack Nova-volume」ドライバの11月29日提供開始について言及している。これはXIVおよびStorwize V7000で利用可能なドライバで、ストレージプロビジョニングの自動化、ストレージの自動性能最適化やリアルタイム圧縮が実現している。将来的にはさらにQoS機能との連携も予定されているとのことだ。

「IBMは全体論的アプローチでお客様のストレージ選択を支援する。データの価値に適合していないインフラストラクチャは、システムを危うくし、ビジネスの成功につながることはない。ビジネスを成功に導く中長期的なITインフラをめざすなら、ストレージを最初の段階で正しく選ぶことは非常に重要。IBMでは、お客様の既存のインフラ環境と保有されているデータを正しくアセスメントし、状況に応じたソリューションを提案させていただいている。まずは相談にきてほしい」と最後に訴えた村田氏。

いくつもの選択肢の中から最適なひとつの解を選び出すのはストレージに限らず簡単ではない。しかし、自社のビジネス要件と今後の戦略が明確であれば、ベンダの力を借りることで、有効な回答を見つけやすくなるのは確かだ。忘れてはならないのは全体論的アプローチ、それさえブレなければ必ず最適なストレージが見えてくるはずだ。

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