[市場動向]

【IBMの買収戦略】コモディティ分野を捨てて、4つの「成長領域」に注力

2012年12月25日(火)

インフレームからソフトウェア/サービスに舵を切って以来、IBMはコモディティ事業を切り離し、成長分野にコア事業をシフトし続けてきた。2009年の年次報告書では、2010年以降の10年間、4つのビジネス領域に注力することを明言。先端ITを使って行政やビジネス、地球環境などの課題を解決する「スマータープラネット」、BRICsなどの新興国や、先進国の地方都市といった、新たなIT需要が見込める「成長市場」、そして「クラウド」と「データアナリティクス」である。同分野における技術強化のために、2015年までに200億ドルをM&Aに投じる計画だ。

特に買収が目立つのは、スマーターコマース関連の分野。調達やマーケティング、販売、カスタマーサポートなど、企業をまたがるビジネス活動全般を、ITを使って効率化する。スマータープラネット構想の中でも、一般企業を対象とする分野で商機が豊富と見込む。2011年6月には、専任の事業部門を設立。B2B取引プラットフォーム「Sterling Commerce」を皮切りに、マーケティング管理ソフト「Unica」や同分析ソフト「Coremetrics」など、2012年11月までに8社を買収した。同分野におけるIBMの純正ソフトウェア資産は皆無に近く、今後も買収を継続する計画だ。

セキュリティ分野の強化も見逃せない。データの高度な活用を提言する以上、同分野の技術は必要不可欠だからだ。セキュリティインテリジェンスベンダーのQ1 Labを買収したのを機に、WebSphereやTivoliと並ぶソフトウェアブランドとして「SecuritySystems」を設立。他のブランドに散在していた関連製品を集約した。

一方、SPSSやCognosなど、大型買収が続いたデータアナリティクスの分野。2010年9月にDWHアプライアンス「Netezza」を買収した後は、落ち着いた様相を見せるが、MDMツールベンダーのInitiateや、非構造化データのサーチ技術を持つVivisimoなどを獲得。さらに、フラッシュストレージベンダーのTexas Memory Systemsを買収するなど、データマネジメント全般に渡って、必要なコンポーネントを着実に揃えている印象だ。

セキュリティ、リスクマネジメント

  • Guardium┃2009年11月
    データベースセキュリティ
  • BigFix┃2010年7月
    エンドポイント管理
  • OpenPages┃2010年9月
    リスクマネジメントとコンプライアンス
  • Algorithmics┃2011年9月
    金融リスクマネジメント
  • Q1 Labs┃2011年10月
    セキュリティ分析

サーバー、ストレージ、ネットワーク

  • Intelliden┃2010年2月
    ネットワーク管理自動化
  • Blade Network Technologies┃2010年9月
    ネットワークスイッチ
  • Storwize┃2010年7月
    データ圧縮アプライアンス
  • Platform Computing┃2011年10月
    分散コンピューティングの管理
  • Texas Memory Systems┃2012年8月
    フラッシュストレージ

データマネジメント

  • Initiate Systems┃2010年2月
    データ統合(MDM)
  • Netezza┃2010年9月
    DWHアプライアンス
  • Vivisimo┃2012年4月
    非構造化データの検索/解析
  • Butterfly Software┃2012年9月
    データ分析やストレージマイグレーション

クラウド

  • Cast Iron Systems┃2010年5月
    クラウド統合

ビジネスプロセス最適化

  • Lombardi┃2009年12月
    アジャイル指向BPM

システム開発

  • Green Hat┃2012年1月
    ソフトウェアテスト自動化

モバイル

  • Worklight┃2012年1月
    モバイル向けアプリ基盤

業種/業務別ソリューション

サプライチェーン

  • Sterling Commerce┃2010年5月
    企業間取引の統合/高度化
  • Emptoris┃2011年12月
    サプライチェーン分析

マーケティング

  • Coremetrics┃2010年6月
    デジタルマーケティングの最適化
  • Unica┃2010年8月
    マーケティングプロセスの自動化
  • DemandTec┃2011年12月
    Eコマース最適化/分析
  • Tealeaf Technology┃2012年5月
    Webサイト訪問者の行動分析

文書管理

  • Datacap┃2010年8月
    帳票やカルテなどの文書化

都市、公共機関

  • National Interest Security Company┃2010年1月
    公的機関向けビジネス分析ソリューション
  • PSS Systems┃2010年10月
    データガバナンス(法務関連)
  • Tririga┃2011年3月
    ビル/不動産などの統合管理
  • i2┃2011年8月
    ビッグデータ分析による犯罪防止
  • Curam Software┃2011年12月
    行政向け社会福祉アプリケーション

人材マネジメント

  • Clarity Systems┃2010年10月
    財務報告管理ソリューション
  • Varicent Software┃2012年4月
    業績データの自動収集/分析と報酬の最適化
  • Kenexa┃2012年8月
    人材マネジメント

住宅関連

  • Wilshire Credit Corporation Assets┃2009年10月
    住宅ローンサービス
関連記事

【IBMの買収戦略】コモディティ分野を捨てて、4つの「成長領域」に注力インフレームからソフトウェア/サービスに舵を切って以来、IBMはコモディティ事業を切り離し、成長分野にコア事業をシフトし続けてきた。2009年の年次報告書では、2010年以降の10年間、4つのビジネス領域に注力することを明言。先端ITを使って行政やビジネス、地球環境などの課題を解決する「スマータープラネット」、BRICsなどの新興国や、先進国の地方都市といった、新たなIT需要が見込める「成長市場」、そして「クラウド」と「データアナリティクス」である。同分野における技術強化のために、2015年までに200億ドルをM&Aに投じる計画だ。

PAGE TOP