[Citrix Cloud Vision 2012 Fallレポート]

CloudPlatformの活用で劇的な進化を遂げる「ホステッドプライベートクラウド」

2013年1月10日(木)

Citrix Cloud Vision 2012 Fallレポート Part2 景気低迷が続きITリソースの大規模所有が困難になりつつある今日、パブリッククラウドの環境下でユーザー専用のITリソースを確保し、あたかもオンプレミスのプライベートクラウドのように安心して利用できるホステッドプライベートクラウドに注目が集まっている。こうしたクラウド基盤の構築や運用に、オープンソースソフトウェア(OSS)の「Apache CloudStack」をベースに開発された「Citrix CloudPlatform」は、どのような役割を担うのか。「Citrix Cloud Vision 2012 Fall」では、実際にCloudPlatformを採用してホステッドプライベートクラウドサービスの提供を開始しているIDCフロンティアとKDDIの事例が紹介された。

IDCフロンティア:SLA 99.995%を保証するホステッドプライベートクラウド

大屋誠氏 IDCフロンティア ビジネス推進本部サービス開発部 部長 大屋誠氏

首都圏、九州、東北に大規模データセンターを有し、プライベートクラウド提供の実績を持つIDCフロンティアは、2012年10月から、ホステッドプライベートクラウドサービスの提供を開始した。サービスは、初期費用無料の月額課金方式で提供され、99.995%のSLA(Service Level Agreement)が保証されている。

同サービスの最大の特長は、プライベートクラウドのようなリソースの占有と、CloudPlatformの(利用者権限で操作可能な範囲だけでなく)管理・運用環境も提供する点だ。講演でIDCフロンティアのビジネス推進本部サービス開発部部長、大屋誠氏は、「今までのパブリッククラウドは、ITリソースの管理はサービス提供側に任せるものだった」としたうえで、CloudPlatform採用のメリットを次のように説明した。

「CloudPlatformを使った新たなプライベートクラウドサービスでは、ユーザーの管理者はWebベースのダッシュボードを使って自社サイトからリモートで仮想マシンやアカウント、ストレージ、ネットワークなどの設定・管理を容易に行うことができるようになった」

また、大屋氏は、Web制作会社の事例を取り上げ、新サービスの導入メリットをアピールした。導入先の企業ではキャンペーンサイトの構築・運用を手がけているが、以前は案件ごとに個別にシステムを構築しており、ネットワーク転送量などに関して適切な見積を提示できなかった。そのため、契約を逃すケースもあったという。また、システム部門では、いくつもの会社と情報をやり取りする必要があり、業務の内容を標準化できないという問題もあった。

同社では、定額で提供されるプライベートクラウドサービスのIDCフロンティア クラウドサービス セルフタイプ「ネットワーク定額プラン」を導入することにより、個別のWebトラフィックのピークを心配する必要がなくなり、業務の標準化も進展した。大屋氏によると、新サービスの導入がビジネス推進のトリガーになって、案件の引き合いが増加し、システム部門が収益を生み出すプロフィットセンターになったと評価されているという。

IDCフロンティアは、OSSのクラウド統合運用管理ツール「Scalr」の採用を決めるなど、今後もクラウド管理基盤の強化に取り組んでいく。また、オンプレミスのシステムや他社クラウドとの接続・連携を図る方針だ。

KDDI:BCP対策に有効な月額課金のプライベートクラウドを実現

保科康弘氏 KDDI クラウドサービス企画開発部 課長 保科康弘氏

KDDIは2012年7月からホステッドプライベートクラウドを含むクラウドプラットフォームサービスの提供を開始している。

サービスラインアップには、プライベートクラウド向けに専有サーバ単位でサービスを提供する「Premium」、必要なリソースを安価に使いたいユーザー向けに仮想サーバ単位でサービスを提供する「Value」、標準メニューにない物理サーバやネットワーク機器でシステムを構成しクラウドサービスとして提供する「Custom」がある。

このうち、Customを除くクラウド環境にクラウド基盤のCloudPlatformを採用しており、ユーザーは自社のセルフポータル画面上でサーバの状態を確認し、サーバやストレージの追加・削減、ネットワーク設定、バックアップ/リストアなどを実行することができる。

KDDIのサービス企画本部 クラウドサービス企画開発部 保科康弘氏は、専有サーバの管理について、「CloudPlatformに独自機能をアドオンすることによって、イントラ接続された専有サーバをセルフポータル操作だけで即時に作成できるようにした」と説明する。

プライベートクラウドに最適なクラウド基盤サービス
プライベートクラウドに最適なクラウド基盤サービス

CloudPlatformへの独自アドオンによってもう1つ可能になったのが、ローカルサイト(東日本または西日本)とリモートサイト(西日本または東日本)への同時バックアップである。ユーザーはセルフポータル画面上で手動/定期バックアップの設定が可能になっている。この機能は標準で提供され、サイト間のネットワーク費用もあらかじめバンドルされているため、低コストで万全なバックアップ/リストア環境を構築できる。

また、DR(障害対策)オプションを追加すれば、リモートサイト上にDR(障害対策)用のサーバを確保することも可能となっており、万一メインサイトがダウンした場合でも、DRサイトを使って即座にサービスを復旧することができる。

ホステッドプライベートクラウド環境においては、イントラネットと同等の接続環境が必要とされるため、ホステッドサイトとユーザーのサイトを接続するネットワークも重要となる。KDDIのクラウドプラットフォームサービスでは、冗長化された広域仮想スイッチ「KDDI Wide Area Virtual Switch(WVS)」が標準装備されている。あらゆるネットワーク/デバイスからのセキュアな接続を実現する。

また、ユーザーサイトのLANインタフェースの上限値まで帯域を利用できるトラフィックフリー機能をサポートしており、クラウドのレスポンス向上とコスト削減を両立することが可能となっている。この点について、保科氏は、「従来型のネットワークでは、契約速度以上のトラフィックはカットされてしまい、契約速度を高めに設定する必要があった」としたうえで、「トラフィックフリーであれば、社内ネットワークの上限値までの通信が可能なため、契約自体は拠点間通信の速度に抑えることができる。これは実際の事例でも実証されている」と、そのメリットを強調した。

以下より、KDDI 保科氏の講演資料
「BCP対策に有効な月額課金のプライベートクラウド KDDIプラットフォームサービス」
をダウンロードしてご覧いただけます。

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