[シリコンバレー最前線]

拡大するクラウド、活発なM&A 2012年のIT業界を振り返る

2013年3月21日(木)山谷 正己

テクノロジーはますますオープンになり、ビジネスの対象はモノづくりからサービスへと変化し続けている。一方、ビジネスを支えるIT業界は、積乱雲=クラウドで覆われつつある。今回は、2012年の米国IT業界をシリコンバレーを中心に振り返ってみよう。

2012年、米国ではクラウドを主題にしたカンファレンスが大きなものだけで5回、ビッグデータとNoSQLを主題としたものも同数が開催された。クラウドは、もはやITの主流だ。こうしたなか、クラウドサービスを提供するプロバイダは、急速かつ過激な競争を強いられている。特に、IaaSにおける市場競争は激化する一方だ。

IaaS

Amazonが2006年8月に仮想サーバーのサービスであるElastic Compute Cloud(EC2)を開始した。当時、Linuxのスモールインスタンスの利用料は1時間当たり10セントだった。その後、後続企業が1時間当たり9セントで提供するようになった。それを見るやAmazonは2009年11月に利用料を8.5セントに値下げ。その後も値崩れが続き、Amazonは2012年3月に1時間当たりの利用料を8セントに再設定した。さらに8カ月後の11月には、6.5セントまで一気に値下げした。

図1 AWSの売上推移(Just Skill推定) 図1 AWSの売上推移(Just Skill推定)

所有する巨大なインフラを背景に価格競争を仕掛けることにより、AWSはIaaS市場で56%という圧倒的なシェアを占めるに至った。それに次ぐRackspaceのシェアは、わずか8.6%(ともに451 Groupの推計)。Terramark、NaviSuite、OpSource、Savvisといったかつての競合は、2011年に相次いで通信キャリア系の企業に買収されてしまった。

AmazonはAWS単体での売り上げを公表していないが、 Morgan Stanleyが推計を出している。それによると、2011年におけるAWSの売り上げは前年比60%増の11億9000万ドルに上ったという。これは、同社の売り上げの3%にあたる。それに当社の手法を加えて推計すると、AWSの過去5年の売上推移は図1のようになる。

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