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グローバルな経営課題の解決にはスピードが重要 クラウド型ERP基盤が早期対応を可能に

2013年6月25日(火)

ERPのクラウドサービス「NetSuite」を展開する米ネットスイートの日本法人と東洋経済新報社が2013年6月12日、東京・大手町で「グローバル経営基盤フォーラム」を開催した。NetSuiteのユーザー企業が経営の最前線や、そこで必要な経営支援ツールの判断基準などを説明。それらを受けて、ネットスイート日本法人社長が、グローバルな経営環境において海外企業がクラウドERPサービスをどう選択・利用しているかを紹介した。

NetSuiteのユーザー企業として最初に登壇したのは、関西国際空港(関空)を拠点にLCC(Low Cost Carrier)事業展開するPeach Aviationの財務・法務統括本部長である岡村 淳也 氏である。

コストマネジメントの徹底で新市場を創出

岡村淳也氏 写真1 Peach Aviationの岡村 淳也 財務・法務統括本部長

2011年2月創業のPeach Aviationは、約1年後の12年3月に「関空=千歳」と「関空=福岡」の2路線を同時就航させたのに続き、12年5月には「関空=ソウル」の国際線を就航。その後も就航先を増やし、13年10月には「関空-成田」線も開設する予定だ。岡村氏は、「スピード感のある事業展開を可能にしているのは、周到な準備と、明確な経営方針の存在だ」と胸を張る。

同社経営方針の特徴の一つが、徹底したコストマネジメントである。岡村氏は、「LCCは『格安航空会社』が定訳になっているが、Low Cost Carrier、すなわち『低コスト航空会社』が正しい」と指摘する。そのうえで、「安かろう悪かろうではなく、コスト要因を徹底的に見直すことで、日本品質の航空サービスのあるべき姿を追求し、女性層など新たな市場を創出している」と強調する。

拠点を関空にしたこと、新しい機材を採用していること、手荷物預かりが有料であることなどについて岡村本部長は、いずれにも合理的な理由があると説明した。例えば、関空を拠点にしているのは、就航便が少ない空港を利用すれば、定時出発率を高められるから。新造機は初期投資は大きいが、保守を含めたランニングコストは中古機より安価になるという理由だ。

岡村氏は、「重要なことは自分が何をしたいかだ。当社では『それを決めるのは自分達だ』という考え方が浸透しているため、経営方針がぶれない」とした。

経営陣はガバナンスの構築に高い関心

山名弘道氏 写真2 日本山村硝子 プラスチックカンパニー 事業戦略部マネジメントサポートチームの山名 弘道氏

次に登壇したのは、ガラス瓶などを製造する日本山村硝子の山名 弘道氏。ペットボトルやペットボトル用キャップなどを担当するプラスチックカンパニーの事業戦略部マネジメントサポートチームが取り組んだ、アジア展開に向けた会計・財務システムの選定・導入の過程を紹介した。

日本山村硝子のプラスチックカンパニーは、インドネシアを核に、中国とフィリピンに製造拠点を置いている。独自開発した、いたずら防止機能付きキャップ「TENキャップ」を海外15カ国にライセンス輸出するなど、グローバル化を進めている。

そのプラスチックカンパニーが、会計・財務システムの刷新に乗り出したのは、2011年3月に発生した東日本大震災が契機になっている。サプライチェーン寸断のリスクが明らかになり、顧客への供給責任と原材料の確保の双方を満たすには、「世界を同一レベルで一元管理できる仕組みが必要と判断した」(山名氏)からだ。

海外拠点への会計システム導入に向けた製品選択で同カンパニーは、2つのステップを踏んでいる。まずは、本社に大企業向けERPを導入している企業の海外展開を想定し、本社と同じERPを採用するかどうか、オンプレミスかクラウドかの4パターンを検証。「本社とは異なるERPをクラウドサービスで導入する」という方針を、まず決めた。

次の段階で、複数のERPクラウドサービスの機能や料金体系などから月額費用をシミュレーションした。その後に、考えられる課題についての対応状況を最終確認し、NetSuiteの採用を経営陣に提案したという。今後は、世界同一レベルのガバナンスを確立すると同時に、全社に効果的なクラウドサービスを展開したい考えだ。

グローバル展開では「2層ERP」が有効

田村元氏 写真3 ネットスイートの田村 元 代表取締役社長

ユーザー企業の講演を受けて登壇したネットスイート代表取締役社長の田村 元 氏は、グローバル展開において、海外の企業がどのような選択・展開を図っているかを解説した。

田村氏はまず、NetSuiteが決して中堅・中小企業特化のサービスではないことを説明したうえで、グローバル化を進める企業が現在取り入れているERPの選択・導入の進め方を紹介した。

その進め方とは、「2層ERP」と呼ばれる方法である。本社などには独SAP製ERPといった大規模システムをオンプレミスなどで導入したうえで、リージョン(地域)別や子会社といった層には本社とは異なるERPを導入する。2層目のERPとしてNetSuiteが選ばれるケースが多いというわけだ。

続けて田村氏は、NetSuiteの導入事例を基に、2層ERPを選択する企業が解決しようとしている経営課題を次の五つに分類した。(1)子会社のビジネスプロセスの標準化、(2)M&A(企業の統合・買収)や会社分割、(3)海外など新規市場への早期対応、(4)新しいビジネスモデルの確立、(5)ネット事業など新規チャネルの獲得である。

いずれの課題においても、重要視されているのは早期の立ち上げである。田村氏は、「かつてはERPのベストプラクティスが大手から中堅・中小へ伝わった。今は、中堅・中小がもつスピード感を大企業が求める時代になった」と、価値観の変化を強調し、クラウドERPサービスの有効性を訴えた。

なお、ネットスイートは同社ホームページに、顧客であるグローバル企業がNetSuite導入前に抱えていた課題を整理するとともに、その解決策を掲載している。

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