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分析人材に明確な定義を! 一般社団法人データサイエンティスト協会が発足

2013年7月17日(水)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)

一般社団法人データサイエンティスト協会が2013年7月16日に発足した。データ分析に関わる職種を体系化。企業と人材のミスマッチを減らし、技術者にキャリアパスを明示すべく活動する。

会見に臨んだデータサイエンティスト協会のメンバー
右から顧問の樋口知之氏、代表理事の草野隆史氏、
事務局長を務めるブレインパッドの宍倉剛氏

大量のデータからビジネスに役立つ知見を引き出す人材として、昨今、注目を集める「データサイエンティスト」。ビッグデータ活用の担い手として関心を寄せ、育成や採用に乗り出す企業も増えてきた。

一方で、データサイエンティストに対するイメージは、人によって大きく異なる。機械学習や分散処理を駆使して、Webログから消費者の行動を予測する人物を思い浮かべる場合もあれば、新しいビジネスモデルを考案し、ビジネスプロセスを変革することを期待する場合もある。

データ分析のプロセスが広く浸透しているとは言い難いだけに、その穴を埋めるデータサイエンティストには過剰な期待を抱きがち。企業と技術者が、スキルや役割について具体的なイメージを共有しなければ、「期待していたほど活躍してくれない」「実力に合わない負担を背負わされる」といった不幸なミスマッチが頻発しかねない。

せっかく盛り上がってきたデータ活用の機運に水を差さないために、データ分析に関わる人材像を早期に明確化しなければならない。そうした課題意識から、データ分析専業のブレインパッドが中心となって、設立したのがデータサイエンティスト協会である。 2012年末から準備を重ね、本格的に活動をスタートするに至った。

作業効率などを優先して、一社単独で活動を進めてきたが、今後はデータ分析に関わる実務家や研究者などの参加を募る。早期に理事選を実施して、新しい理事会を発足する計画だ。当面の間は、ブレインパッドの草野隆史代表取締役社長が代表理事、同・経営企画室長の宍倉剛氏が事務局長、統計数理研究所長の樋口知之氏が顧問を務める。

図:委員会の構成
図:メンバー選定に関する宣言

協会の活動は主に3つ。①データ分析に関わる人材の定義と、育成・評価の仕組みづくり、②人材や企業が交流するためのコミュニティの形成、③データ分析に関する情報を発信するシンポジウムの開催である。

図:協会の活動の概要
図:活動のロードマップ

初年度は、分析人材の定義に力を注ぐ。データ分析に関わる人材の総称として、データサイエンティストを定義。データベースエンジニアやデータアナリストといった既存の職種を含め、データ分析に関わる人材を類型化し、それぞれが備えるべきスキルや、果たすべき役割を明確化する。

IPAのITスキル標準(ITSS)や、データマイニングに関するスキル標準「CRISP-DM」などを参考に、データサイエンティストスキル標準(DSSS)としてまとめる。 スキル標準で定義した各職種を目指すためのカリキュラムも整備する。

図:データサイエンティストの人物像(案)
図:データサイエンティストの対応領域(案)

 

図:データサイエンティストのスキル一覧(案)
図:データサイエンティストのタスク一覧(案)

2012年中に、エントリーレベル(上位者の指示を受けて、分析業務をこなせる人材)、2014年中には、ミドルレベル(独力で分析業務をこなせる人材)のカリキュラムを作成する。必要に応じて、独自カリキュラムの策定も検討するが、基本的には既存の教育コースなどを認定する形で活用する予定。

図:育成カリキュラム(案)
図:人材類型別のキャリアパス(案)

スキル標準とカリキュラム策定が完了した後、人材のスキル到達度を客観的に評価する仕組みも作成する予定だ。企業が自社のニーズに合った人材を採用できるようにする。スキルの認定も可能な限り、既存の資格認定制度を活用する。例えば、統計に関する理解度の認定は、統計学会が主催する「統計検定」を推奨するといった具合だ。

図:レベル認定基準(案)

 

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