[金谷敏尊の「ITアナリストの仕事術」]

第08回 「読ませる論文の書き方」

2013年7月19日(金)

我々アナリストは論文を書く機会が多い。リサーチノート、ホワイトペーパー、寄稿記事、文献・書籍など、さまざまなレポートの執筆を要求される。現在は、社内外での情報発信の場も増え、研究者だけでなく、エンジニアや一般のビジネスマンにおいてもレポートを書く機会が増えている。そこで今回は、論文形式のレポートを書く際のテクニックを紹介したい。

世の中に流通する文章には、媒体によっては一定の「かたち」がある。新聞記事を見てみると分かり易い。まず、ヘッドラインに目を引くような「見出し」がついて、事実関係が述べられる。この時、基本的に重要な情報を先にもってきて、後ろに行くほど周辺的な情報となる。限られた時間に、優先度に応じて情報を伝えるように配慮しているからである。メディアは読者に手にとって読んでもらうことでビジネスが成り立つ。だから見出しは、関心を誘うインパクトのある言葉が用いられる。

論文の「かたち」

ビジネス文書としてのレポートはどうあるべきだろうか。これにも「かたち」はある。文章構成は、リード(導入)、ボディ(本文)、コンクルージョン(結論)とするのが一般的であろう。必要に応じて、この冒頭にハイライト(要点)やサマリー(要約)を加えたり、アペンディクス(付録)を後付けしたりする。不慣れな人が書く論文は、こうした構成ができておらず、読む気を損ねることが多い。一定の「かたち」を成していることは、論文として読んでもらえる条件と言って良い。いくら内容が素晴らしくても、読んでもらえなければ意味はない。

リードは、展開したい論述の概要や経緯を説明する部分だ。目的は、読者を円滑に本論に導くことにある。背景説明、現状認識、課題提起、仮説起案などを記述する。本論の展開に先駆けて、論じるテーマやスコープについても、明確化しておきたい。特に「なぜそれを論じるのか」について、説明を加えておこう。読者の思っていることは、書き手が考えていることと多かれ少なかれ異なるので、ここで露払いをしておく。例えば、「クラウド市場は年平均成長率30%で拡大しており、多くの企業が導入検討を開始しています。そこで本稿では…」という具合である。

ボディでは、メッセージとその根拠を述べる。論文である以上は、何らか伝えたいメッセージがあるはずだが、それには多少なりとも論拠が必要だ。但し、メッセージといっても、主張、見解、意見、示唆などさまざまな形態がある。必ずしもあっと驚くような斬新な見解や膨大な根拠データに裏打ちされた主張でなくても良い。読者に何らかの気付きを与えられれば十分価値はある。

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