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SAPジャパンがS&OPツールを発表、HANA使いシミュレーションを高速化

2013年8月8日(木)折川 忠弘(IT Leaders編集部)

SAPジャパンは2013年8月6日、「SAP Sales and Operations Planning powered by SAP HANA(SAP S&OP powered by SAP HANA)」を発表した。S&OP(Sales & Operations Planning:販売・業務遂行計画)の仕組みにより、企業の事業計画に沿った販売計画や生産計画の立案を支援し、在庫数の適正化や収益を最大化できるようにする。

 SAP S&OP powered by SAP HANAは、SCMやERPなどが保持するデータを収集/分析し、最適な販売/生産計画を導き出すためのクラウドサービス。事業戦略を満たす生産数を現行工場の稼働率で確保できるのか、資材の調達先としてどこに一括で依頼すればコストを抑えられるのか、販売価格を値下げすると利益はどう変化するのかなど、さまざまなケースにおける影響を把握できる。

 インメモリーDBであるHANAを用いることで、これらシミュレーションの結果を高速に導き出す。「データ量によるが、30分程度の時間を要していたシミュレーションがHANAを使えば数十秒で済む」(ソリューション本部 アプリケーションエンジニアリング部 ビジネスエンジニアリング ダイレクター 原尚嗣氏)。直近の社会情勢や経済変動が事業計画にどう影響するのかを把握できることから、「経営層はミスのない最適な意思決定を迅速に下せる」(同氏)。

 ソーシャル機能を装備し、部門をまたがって計画内容を議論できるようにする。販売計画が示す販売目標値は妥当なのか、生産計画が定める製造数では在庫過多にならないかなどを調整するのに役立つ。「ソーシャル機能を利用すれば、計画に記される値がどのような根拠でそう決まったのかを確認できる。計画を描くまでのアプローチが重要で、根拠なしに計画だけ記されても関連する他の部門は納得しない。複数部門間で計画を練ることで、計画の精度向上が見込める」(同氏)。

 各種システムより収集したデータや需給計画などは、マイクロソフトのExcelを使って確認できる。数値を変更した場合、収益や在庫数などにどう影響するのかをグラフで示すことが可能だ。数値を変更した理由をコメントとしてセルに付与しておくこともできる。

 価格は非公開だが、「他社の類似ツールと比較して5分の1から10分の1程度に抑えた」(バイスプレジデント クラウドファースト事業本部長 馬場渉氏)。2014年までに数十社の販売目標を掲げる。

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