[市場動向]

“定食屋”で理解するS&OPのプロセス

2013年9月4日(水)松原 恭司郎

欧米を中心にSCM(サプライチェーン・マネジメント)の進化形として発展してきた「S&OP」。企業がS&OPを駆使して持続的な競争優位を築くには、基本を理解することが先決だ。S&OPの変遷や定義、一般的なプロセス例、もたらす効果などを整理する。

 「S&OP」という言葉を初めて見聞きする人は少なくないはず。ただその歴史は長く、今から25年前にMRP(資材所要計画)/ERPコンサルタントのディック・リング氏とウオルト・ゴダード氏が提唱したものだ。欧米のグローバル企業を中心に普及、発展しているSCMの考え方である。

工場や製品ごとの効果でなく、事業全体の最適化を目指す

 そもそもS&OPとは何を指すのか。論者やこれまでの進化の過程などから、その定義は諸説ある。ここでは、「トップマネジメントと機能部門のミドルマネジメントが参画し、製品/サービスの需要と供給を継続的にバランスさせる戦術レベルの情報共有と意思決定プロセス」と定義する。経営層が掲げる事業戦略に対し、適切に需給調整して収益最大化などを目指す取り組み、もしくは意思決定を支援するプロセスを指す。S&OPと言わず、「IBM(Integrated Business Management)」や、グローバルS&OP、エグゼクティブS&OPと呼ぶこともある。

 S&OPでは、個別の品目や個別オーダーを対象に販売/生産計画を調整するのではなく、カテゴリで分類した製品群を対象に、事業計画に沿った販売/生産計画などを見直すのが一般的である。販売/生産計画を事業計画と緻密に結びつけることから、累計数値を用いるのが適切だからだ。経営層が各製品の事業計画を、短いサイクルで細かく修正するのが現実的ではないという点もある。

 どのくらいの期間を事業計画の対象とするのか。S&OPでは通常、18~24カ月の中期をを対象とする。これは、短期間ではS&OPに取り組まなくても“力づく”で計画を修正できることから、S&OPによる効果が必ずしも見込めない、3年や5年先となると計画の精度向上が難しく、経営層が最適な意思決定を下せなくなる、などの理由がある。市場の変化に俊敏に対処できるように、少なくとも月次で計画を見直せることが好ましい。

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