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[市場動向]

「メールや検索にかける時間の半分はムダ」企業向けソーシャルの米ジャイブが日本市場に本格参入

2013年9月3日(火)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

企業向けソーシャルメディア・ソフトを開発・販売する米ジャイブ ソフトウェアは2013年9月3日、日本オフィスを設立し日本市場に本格参入すると発表した。同社プレジデントのジェイ・ラーソン氏は、「メールや検索に使っている時間の半分は企業活動の成果につながっておらずムダ。新たな情報共有ツールが不可欠だ」と、企業向けソーシャルメディアによる情報共有の必要性を訴える。日本オフィス代表には、マイクロソフトやネットスイートの日本法人幹部を務めた東貴彦氏が就いている。

 ジャイブ ソフトウェアが提供する「Jive」は、社内外にまたがるコミュニティ内での情報共有を可能にするソーシャルメディア・プラットフォーム製品である。コミュニティが持つ情報・ノウハウを、「コンテンツ」「ピープル」「プレイス」の3つの視点で分類・検索することで、必要な情報あるいはノウハウを持つ人材をより早く見つけ出すことに主眼を置いている。企業内の既存システムのほか、FacebookなどのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)との連携もできる(図1)。


図1:Jiveの主な機能の概念

 Jiveがいうコンテンツは、文書やプレゼン資料など。米マイクロソフト製の情報共有プラットフォームである「sharepoint」など連携し、sharepointが管理する文書をJiveのインタフェースで参照するほか、その文書を見ながら交わしたディスカッション内容も併せて記録できる(画面1)。これにより、プレゼン資料を見ただけでは分からない表現の意図や数字がもつ意味などが残るため、同様の質問が繰り返されたり、誤った情報を伝えたりといったことが軽減できる。コンテンツの参照数や参照者の評価なども管理できる。


画面1:Jiveの画面例

 ピープルは、人物を起点に情報を検索するための視点。その人が所属部署でどんな経験を積んでいるか、どんなコンテンツを作成しているか、どんな人脈を持っているかなどが把握できる。プレイスは、コンテンツやピープルを地域といった所在地を起点に検索するための視点である。

 同社のプレジデント兼ワールドワイド・フィールドオペレーション担当のジェイ・ラーソン氏は、「企業は今、ワークスタイルの変革を急いでいる。従業員の生産性を高めることこそが企業の成果に直結するからだ」と指摘する(写真1)。そのうえで、米コンサルティング会社マッキンゼー傘下の調査期間による「企業では、メール対応や情報検索のために1週間に28時間を費やしているが、その半分は成果につながらないムダな時間」という結果を引用し、「ソーシャルメディアによる情報の連結と、そこで起こる関係者の協業こそが、成果につながる」(ラーソン氏)と強調する。


写真1:米ジャイブのプレジデント兼ワールドワイド・フィールドオペレーション担当であるジェイ・ラーソン氏

 Jiveが想定するコミュニティは社内にとどまらない。社外の顧客や取引先を交えたコミュニティを形成し、商品情報やアフターサービス情報、活用方法などを共有できる。Jiveのユーザー企業の1社である米EMCは顧客との関係強化に利用することで事業拡大につなげているという。

 ただし、ソーシャルメディアを基盤に事業を推進するためには、コミュニティの形成方法や、そこへの権限委譲など組織的な課題が小さくない。ラーソン氏は、「当社には、製品の強みに加え、世界で800社の導入事例があり、企業がソーシャルメディアを活用するためのノウハウがある。トップダウン型でもボトムアップ型でもJiveは対応できる。どちらも情報を早く見つけ出したいというニーズは共通だからだ」と主張する。

 日本オフィス代表の東貴彦氏も、「確かに日本市場では企業向けソーシャルの認知度は高くなく、課題も多い。だが、既に導入に動いている日本企業が数社ある。コミュニティ作りや、権限の持たせ方といったノウハウを持つコンサルティングを提供しながら、導入を支援していく」と話す。

 Jiveの利用価格はグローバルでは、1ユーザー当たり月額12米ドル。日本市場では、代理店経由の販売になるため、価格は各リセラーが利用ユーザー数などに応じて決定するという。

 今回、システムインテグレーターのTISとリコーITソリューションズの2社が国内代理店契約を結んでいる。TISは、金融と、製造、流通/サービス、公共、通信といった業種を中心に、リコーITソリューションズは、コミュニケーション/コラボレーション・ツールの導入実績を武器に製造、金融の2業種を中心に、それぞれ提案していく。

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