[市場動向]

経営のスピードアップがDevOpsを求めている

2013年10月3日(木)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

「DevOps(Development/Operations:開発と運用の連携)」の最も緩やかな定義は、「開発部門と運用部門が協調すること」だ。だが、DevOpsを単純にIT部門に閉じたキーワードだととらえては本質を見誤る。DevOpsを提唱するネットビジネス業界では当たり前の「ビジネス」の視点が明示されていないからだ。

「ビジネスのスピードにITをどう追い付かせるかを経営層は常に問題視している」─。こう明かすのは、国内大手企業の社長陣を招く早朝フォーラムを毎月開催している米BMCソフトウェア日本法人のマイク・アルフォード代表取締役社長だ。クラウド時代を迎え、既存のシステム環境をどう変革するかが課題になっているという。

経営陣が企業ITおよび、それを預かるIT部門に対し、ビジネスに資する価値を求めていることは今に始まったことではない。だが、昨今の政治・経済情勢をみれば、企業の経営環境は従来になく先行きが不透明なだけに、変化に追随できるスピード感の確保が、より強く求められている(図1)。

図1:「DevOps(Development/Operations)」が注目される背景には、消費者起点のサービス競争時代の本格化がある。開発(Dev)と運用(Ops)などの間に“壁”があっては、事業部門のアイデアを素早くサービス化できない

その背景には、インターネットの普及とスマートフォンの台頭がある。顧客と直接コンタクトが取れるネットビジネスは、多様化する顧客ニーズを知るには有効なチャネルだ。反面、24時間365日のリアルタイム性が求められる。

携帯電話業界などに向けたシステムの開発・運用などを請け負う京セラコミュニケーションシステム(KCCS)の秋枝正治プラットフォーム事業本部長は、「スマホ時代になり、顧客向けサービスの開発競争が激化している。サービス提供の優先順位も二転三転し、要件定義に3週間もかけられないケースが増えている」と打ち明ける。

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