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自社Webサイトを安価かつ高精度に多言語対応するには

2013年10月7日(月)折川 忠弘(IT Leaders編集部)

「日本の企業が海外進出を図るなら、まず手始めに自社のWebサイトを多言語対応すべきだ」。こう指摘するのは八楽の代表取締役 坂西優氏である。同社は企業向けにWebサイトの翻訳サービス「WorldJumper」を提供する。機械翻訳と翻訳者を組み合わせることで、安価な価格と高い翻訳精度を特徴に打ち出す。Webサイトを多言語化する必要性と、WorldJumperの仕組みを同氏に聞いた。

 日本企業のグローバル化を拒む要因として、障害の1つになっているのが“言葉の壁”だ。英語圏や中国などの市場に進出したくても、自社の商品や取り組みが現地の企業や消費者に理解されなければ成功するのは難しい。海外進出を目指すなら、現地の言葉で自社の強みを訴求できなければならない。しかし、翻訳者を雇うのはコストがかかる。専任の人材を確保する余裕がないという声も少なくない。

 こうした背景から、「海外拠点を構える足掛かりとして、自社のWebサイトをまず多言語対応しようとする企業が増えている。拠点に翻訳者を常駐させるのは厳しいという企業でも、グローバル化の第一歩を安価に踏み出せる。低コストで自社の製品やサービスを世界に発信できるメリットは大きい」(坂西氏)。

 もっとも、翻訳には高い精度が求められる。誤訳ばかりでは正確な情報を発信できない。かといって1文字単位で費用がかかる翻訳者に依頼するとコストと時間が膨らむ。そこで、「品質とコスト、時間のバランスを最適化するのが、当社のWorldJumperである」(坂西氏)。

 WorldJumperは、必ずしも翻訳精度が高くない機械翻訳と、コストは割高だが翻訳精度を高められる人手を組み合わせる。ソフトと人手それぞれの短所を補うことで、品質とコストを適正化する。

 具体的には、まず数百万の単語情報を蓄積するデータベースを使い、Webサイト上のテキストを英語などに変換する。データベースに単語情報がない場合、機械翻訳を使って残りのテキストを英語などに置き換える。ただしこの時点では翻訳精度は高くない。そこで最後は、人手を介して誤訳を修正する。データベースや機械翻訳を可能な限り活用することで、人手による翻訳量を減らす。「人手を極力介さないようにすることで、コストと時間を抑えられる。機械翻訳までならわずかな時間で翻訳できる。人手を介しても最短1日でサイトを多言語化することが可能だ」(坂西氏)。

 辞書を使えば、企業固有の部品名やサービス名も翻訳できる。「Excelを使って固有名詞を管理する企業は少なくない。WorldJumperは、企業が保有するExcelを使って辞書を作成できる」(坂西氏)。ExcelをWorldJumperの辞書に登録する支援サービスも用意する。

 同社は約300人の翻訳者と契約。言語の種類やテキストの内容に応じて適任者を割り当てる。契約者を使わず、クラウドソーシングを使って外部の翻訳者に依頼することもある。「ただし、人によって翻訳の精度にばらつきが生じてしまう。品質を一定に保つため、最終的には自社でチェックしている」(坂西氏)。

 なお、サイト上に表示する画像に埋め込まれた文字は翻訳できない。英語、中国語、韓国語の翻訳をサポートするが、データベースや翻訳エンジンの精度は言語により異なる。「例えば韓国語は英語に比べて、機械翻訳による精度は高くない。言語を問わず、人手を介して訳した情報をデータベースに蓄積することで、機械翻訳の精度を高めたい」(坂西氏)。

 WorldJumperはSaaSとして提供する。月額料金は8800円、初期費用は8万円。月額料金さえ支払えば、何ページでもサイトを翻訳できる。ただしこの場合、翻訳に用いるのはデータベースと機械翻訳のみ。さらに精度を高めたい場合は、別途料金を支払って翻訳者を利用する。「翻訳者を自社で雇っている場合、機械翻訳までで十分というケースが多い。こうしたニーズに答えるため、機械翻訳までと人手を用いる翻訳料金を分けた。ただし、人手を介したとしても、料金は翻訳業者に依頼する場合に比べて約半額で済む」(坂西氏)。

 サイトではなく、csvファイルの商品情報などを翻訳することも可能。ECサイトを運営する事業者の場合、膨大な商品情報をcsvファイルで管理し、商品情報を一括でアップロードできるようにしている。こうした事業者の用途に答える。

 

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