[社会生活における本人認証の役割と意義]

【第2回】社会的事象としての本人認証

2014年1月7日(火)鵜野 幸一郎(日本セキュアテック研究所・代表)

第1回では、「本人認証」を歴史と法的側面から、その社会的意義について考察しました。今回は「本人認証」をインターネット時代の社会的事象としてとらえ、それに関わる人間系の諸問題を考えてみましょう。

 サイバー空間における「本人認証」の役割は、成りすましを防ぐために本人の同一性(アイデンティティ)を確認することです。対象が人間であるが故に、単にITの問題だけでなく、人間系の諸問題を考慮しなければなりません。

 本人認証における人間系の諸問題としては、(1)自己の同一性(2)人間の尊厳(3)本人拒否と他人受容の責任(4)否認の否定と肯定の是認(5)ユーザー権限(6)モバイルコンピューティング(携帯端末)(7)粗暴犯(8)情報弱者などが挙げられます。

(1)自己の同一性

 人間の自己同一性の確認は、人と人との間に存在するものとして、自己についての「記憶の継続性の認識」なしには成立し得ません。たとえ、一切の持ち物を失い、身体の一部を損傷したり顔の形や声が変わってしまっても、私自身について、「この私」と周囲の人達とが同一で継続した記憶を共有するならば、「この私」は紛れもなく「その私」なのだと断言できるのです(図1)。

この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
登録済みの方はこちら

IT Leaders 雑誌版、電子版をご購読の方、会員登録済みの方は下記ボタンよりログインして続きをお読みください

初めての方はこちら

IT Leaders 会員になると
会員限定公開の記事を読むことができます
IT Leadersのメルマガを購読できます

【次ページ】
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
バックナンバー
社会生活における本人認証の役割と意義一覧へ

【第2回】社会的事象としての本人認証第1回では、「本人認証」を歴史と法的側面から、その社会的意義について考察しました。今回は「本人認証」をインターネット時代の社会的事象としてとらえ、それに関わる人間系の諸問題を考えてみましょう。

PAGE TOP