[情報システム担当者が知っておきたい「ユニバーサルデザイン」]

なぜ地デジテレビのリモコンは、4色ボタンの下に色名を書いているのか

2014年1月15日(水)岡山 将也(日立コンサルティング)

情報システムを設計するとき、私たちはつい健常者を前提としてしまいがちです。その結果、弱視や色覚など、ハンディキャップを抱える人々がWebサイトやWebサービスから遠ざけられてきました。しかし、ITはもはや社会インフラと呼べる存在。”誰もがアクセスできること”にもっと注意を払うべきでしょう。純粋にビジネスの観点から言っても、視覚にハンディキャップを抱える人々はその国内に1400万人いると言われていますから、無視できない存在のはず。今回は、”誰もが利用できる情報システム”を設計するための指針、「ユニバーサルデザイン(UD)」を紹介します。

ユニバーサルデザインの誕生

 
 

 ユニバーサルデザイン(UD)という言葉は、米国ノースカロライナ州立大学教授だったロナルド・メイス氏(Ronald L. Mace /1941-1998)が、「バリアフリー」に代わるものとして、1980年代中頃に提唱しました。

 バリアフリーという言葉は、皆さんも耳にした記憶があるのでしょう。バリア(障壁)をフリーにする(なくす)ことで、ハンディキャップを持つ人でも利用できるようにする、と一般的に解釈されています。

 メイス氏はこの言葉に違和感を持ちました。バリアフリーの本来の意味からすると、特別な人(障碍者)だけを対象とするのはおかしい。年齢・性別・体の状態にかかわらず、皆が使いやすいものを作ればいいじゃないか。そう考えたのです。実はメイス氏自身も車いすを利用する障碍者でした。

 メイス氏は、バリアフリーに代わるものとして、UDという概念を生み出しました。その後、研究の結果、以下の7つをUDの原則として挙げました(参照:THE PRINCIPLES OF UNIVERSAL DESIGN)。

この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
バックナンバー
情報システム担当者が知っておきたい「ユニバーサルデザイン」一覧へ
関連記事

トピックス

[Sponsored]

なぜ地デジテレビのリモコンは、4色ボタンの下に色名を書いているのか情報システムを設計するとき、私たちはつい健常者を前提としてしまいがちです。その結果、弱視や色覚など、ハンディキャップを抱える人々がWebサイトやWebサービスから遠ざけられてきました。しかし、ITはもはや社会インフラと呼べる存在。”誰もがアクセスできること”にもっと注意を払うべきでしょう。純粋にビジネスの観点から言っても、視覚にハンディキャップを抱える人々はその国内に1400万人いると言われていますから、無視できない存在のはず。今回は、”誰もが利用できる情報システム”を設計するための指針、「ユニバーサルデザイン(UD)」を紹介します。

PAGE TOP