[インタビュー]

「BRMSとBPMの密接な連携で顧客の課題を解決する」─レッドハットが最新製品を投入へ

2014年1月23日(木)IT Leaders編集部

複雑な業務ルールや制約条件を加味した上で最適解を導くBRMS(ビジネスルール管理システム)。市場が活況を呈する中で、この分野に注力する1社がレッドハットだ。来日したキーマンに最新製品などの話を聞いた。

ビジネス競争の激化に伴って、企業はさまざまな製品/サービスを追加。その裏側では業務遂行上のルールや制約条件なども、複雑さを増している。この状況にスピーディーに対応する策として、業務アプリケーションから業務ロジックを切り出し、それをBRMS(ビジネスルール管理システム)で管理しようという動きがある。

この分野に力を注いでいるベンダーの1社がレッドハット。米国本社からキーマンが来日したのを機に最新動向をインタビューした。対応者は、ミドルウェアビジネスユニットでJBoss BRMS/BPM Suite製品の責任者を務めるPrakash Aradhya氏と、同製品のマーケティングマネージャを務めるPhil Simpson氏だ。


写真1:JBoss BRMS & BPM Suite 製品責任者 Prakash Aradhya氏(左)とマーケティングマネージャ Phil Simpson氏(右)

-BRMSにおける米国市場の近況を聞かせてほしい。

Simpson:5年前は緩やかな成長曲線を描いていたが、ここ2年を見ると急速な伸びを示している。IDCなどのリサーチを参照すると、BRMSの市場は5億ドルと推定され、ここ数年の成長率は2桁を示していることからも活況が裏付けられるだろう。

Aradhya:その背景にあるのは、市況の変化に速やかに対処する方法を多くの企業が求め始めているということだ。どんな業務にも、判断を下すための条件やルールがあると思うが、それをプログラムでハードコーディングしていては効率が悪い。ここを「ビジネスルール」として切り出して管理するBRMSは、とても理にかなった解決策だ。

例えば自動車の損害保険を例に挙げよう。契約に際しては被保険者の年齢やこれまでの運転履歴、車種、保障対象など様々な条件によって料金が違ってくる。しかも各社は商品の特徴を打ち出すために、新しいオプションの提供に余念がないし、法制度の変更だって頻繁にある。その都度、アプリケーションに変更を加えるなんて今やナンセンス。ルールの部分だけを簡単に手直しして、すぐに現行業務に反映させる。テクノロジーの進化で、それが簡単にできるようになった今、多くの企業が関心を寄せているという状況だ。

-この市場に対するレッドハットのアプローチと具体的な製品は?

Simpson:これまで「JBoss BRMS 5.3」という製品を展開してきたが、今月(2014年1月)末にメジャーバージョンアップを施した最新版「6.0」を米国でローンチする。さほど間を置くことなく日本でも発表する予定だ。

BRMSと関係が深いBPM分野でも新製品がある。当社が昨年買収したスペインPolymita Technologies社の先進的技術を、既存製品に統合した「JBoss BPM Suite 6.0」がそれだ。先のBRMS 6.0は、BPM Suite 6.0の中に包含する形を採っている。つまりビジネスルール管理だけに着目する企業は「BRMS 6.0」を導入すればよいし、プロセス管理と連携させることを考える企業は「BPM Suite 6.0」をチョイスすることでBRMSとBPM、双方の機能を使える。

Aradhya:少し補足しよう。先の損害保険の例でいえば、顧客の希望に応じて、複雑な制約条件やオプションを総合して最終的な保険料を算出する業務の効率化を考えればBRMSだけで事足りる。これにとどまらず、Webサイトの画面で顧客自身が希望の商品メニューを選択し、エンターキーを押した時点で保険金を画面に提示すると共に、その商談ステイタスを社内で共有するといった仕組みを築きたいということであれば、内部的な事務フローを自動化するためにプロセス管理が必要であり、BPM Suiteを導入するのがお薦めだ。当社の顧客の多くは、BRMSとBPMを密接に連携させることに関心を持っている。

●Next:JBoss新バージョンの特徴は?

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