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住友精密工業、リアルタイム処理と機械学習でビニールハウスの温度管理高度化にメド

2014年2月12日(水)IT Leaders編集部

住友精密工業(本社:兵庫県尼崎市)は、「ビニールハウス温度管理サービス」における異常検知の精度を高めるために、機械学習が可能なデータ処理基盤を使った検証システムを構築した。すでに一定の効果が確認できたという。

各種センサーで取得するデータに基づいて、最適な手を打っていく─。最新技術の適用で大きな成果を生むと期待される分野の1つが農業だ。天候などの外的変動要素が多い状況下において、より効果的な方策を実績から導き出すことは、生産性向上の観点で大きな意味を持つ。

センサーや制御装置など多様な精密機器を手がける住友精密工業は、農業のイノベーションに力を注ぐ1社。このほど、同社が手がける「ビニールハウス温度管理サービス」において、リアルタイム分析および機械学習の技術を取り入れ、異常検知を高度化する検証システムを構築した。

「ビニールハウス温度管理サービス」は、温度の実測値が事前に設定した閾値を超えた場合に、生産者や管理者にアラートを自動送信するのが基本的な仕組み。もっとも、これまでは季節ごと、あるいはハウスごとといったきめ細かい閾値を設定できなかったため、異常検知の精度を飛躍的に高めるのが難しかった。

今回の検証システムには、ビッグデータ向けのリアルタイム分散機械学習基盤「Jubatus(ユバタス)」を採用した。これは、NTTソフトウェアイノベーションセンタとPreferred Infrastructureが共同開発し、OSSとして公開しているソフトウェアだ。バッチ処理が中心のHadoopと異なり、リアルタイムかつ分散実行が可能な機械学習アルゴリズムを備えていることを特徴とする。

実証実験では、個々のビニールハウスで実測された年間のデータを対象に、季節変動などを加味した異常値を学習。データの中から外れ値を検知・出力する「Anomaly」機能を用いて、高い精度の異常アラートを自動送出できることを確認したという。

今後は、検証の対象や分析アルゴリズムを充実させることで、さらに精度アップを図る。具体的には、作物の生育段階に合わせた適正温度の学習や、温度管理設備などへの適用拡大による燃料費抑制といったことを視野に入れる。また検知にとどまらず、近い将来の「異常予測」にもつなげていくという。

なお本プロジェクトは、住友精密工業に加え、クラウドコンピューティングを主軸に事業企画/開発を手がけるブリスコラと、「Jubatus」の開発に携わるPreferred Infrastructureが緊密に連携して推進した。

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