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車のセキュリティを考えるセミナー、重要生活機器連携セキュリティ研究会が開催

2014年2月28日(金)志度 昌宏(IT Leaders編集部)

「自動車がクラウドにつながっていく中で、安心・安全を担保するためのセキュリティがますます重要になる」――。こんな問題意識を持ったセミナーが東京・秋葉原で2014年2月27日に開催された。この1月27日に発足した重要生活機器連携セキュリティ研究会(会長:徳田 英幸 慶應義塾大学環境情報学部 教授)が主催した。同研究会は、自動車や医療機器、今後登場するウェアラブル端末、街中に設置されるセンサーなどを対象に、ソフトウェアが組み込まれたデバイスとクラウドが連携する際のセキィリティを課題に挙げている。

 セミナーのテーマは、「車とITがセキュアに連携する未来~つながる車の安心安全~」。基調講演には、名古屋大学大学院情報科学研究科附属 組込みシステム研究センター センター長・教授の高田 広章 氏が登壇した。同氏は、組み込み氏システムの構築基盤をOSS(Open Source Software)として公開する「TOPPERS(Toyohashi OPen Platform for Embedded Real-time Systems)プロジェクト」の会長でもある。

 高田氏は、「自動車とクラウドが融合する未来とは」と題し、まず自動車に組み込まれている制御システムの現状から、今後クラウドと連携することでどのような変化が起こるかを解説した。クラウドのためのデータセンターはエネルギー効率が悪いとの理由から、ビッグデータが必要な処理はクラウド側で実行されるが、個々への反応などは分散処理の方向、すなわち組み込みソフトが処理する形態に戻ると指摘した。

 そのうえで、現在の自動車の開発競争は、自動安全運転などに向けた、車と車、車と道路などが通信しながら自動運転する方向にあるとし、セキュリティが重要になるとした。同分野については、C2C-CC(Car to Car Communication Consortium)が検討し、「信用保証レベル(TAL:Trust Assurace Level)」と呼ぶレベル別のセキュリティ要件を定義していることを紹介した。

 続く技術講演には、情報処理推進機構(IPA)技術本部セキュリティセンター研究員の中野 学 氏が登壇。「IT融合の進む自動車の脅威と対策」と題して、IPAが取り組む自動車分野におけるセキィリティの現状を紹介した。

 IPAは組み込みシステム全般を対象にしたセキュリティについて調査しており、自動車のセキュリティはその一部になる。自動車に関しては「IPAカー」と呼ぶ考え方で機能を整理し、それぞれの脅威を分析。ガイドラインなども提供しているという。

 中野氏は、自動車の脅威については、駆動系に関する脅威と、自動車が持つ情報を使ったサービスに関する脅威があるとし、両者を混同すると自動車の利用者に対する恐怖をあおるだけだと強調した。

写真:パネルの冒頭で講演する、重要生活機器連携セキュリ
ティ研究会(CCDSSG)会長の徳田 英幸 慶應義塾大学
環境情報学部 教授 兼 大学院政策・メディア研究科 委員長

 この後、「車の未来を考える ~車とITとの連携セキュリティ~」をテーマにパネルディスカッションが開かれた。パネリストには、重要生活機器連携セキュリティ研究会(CCDSSG)会長の慶應義塾大学環境情報学部 教授 兼 大学院政策・メディア研究科 委員長の徳田 英幸 氏のほか、IIOT 事務局長の柘植 晃 氏インターネットITS協議会 事務局長の時津 直樹 氏、デンソー 電子基盤技術本部 DP-情報セキュリティ開発室室長 早川 浩史 氏が登壇した。

 徳田会長はパネルの冒頭で、今後は数々の機器が街中や屋内など、人間の生活空間に組み込まれ、サイバー空間とリアルな空間の融合がますます進むとしたうえで、ICTが人々の生活の質(QOL:Quality of Life)の向上にどれだけ貢献できるかを真剣に考えることの必要性を訴えた。

 CCDSSGは、2014年1月27日に発足したばかりの研究会である。自動車や家電、ヘルスケア・医療機器など、ネットワークと連携しながら各種サービスを提供する機器分野において、システム全体としての信頼性と安全性を維持するための研究・開発に取り組むほか、同分野のシステム開発に不可欠な組み込みシステムにおけるセキュリティ技術者の育成などにも取り組む考えという。事務局長はユビテックの荻野 司代表取締役社長が務めている。

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