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[キーパーソンが語るシステムマネジメント高度化の意義]

【第1回】 守りの意識から脱却し、戦略的なシステムマネジメントへの転換を

2014年3月28日(金)

最新ITにキャッチアップし活用することが競争力の源泉になると思い込みがちだが、もっと重要なのは「運用業務」を見直すこと。属人的スキルが今なお横行する業務にメスを入れ、戦略的に手を打っていく道筋をつけることが先決だ。

 企業や社会を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中で、ビジネスとITの距離感がぐっと近づいています。いや、まさに一体化していると言ってもよいでしょう。情報システムが果たす役割は日増しに大きくなり、企業にとって欠くことのできない戦略的な色彩を強めているのは周知の通りです。

 クラウド、モバイル、ビッグデータ、ソーシャル…。こうしたキーワードを持ち出すまでもなく、人、モノ、金などの動きを示す情報がどんどん“デジタル化”されており、これらを巧みに利活用する知恵が競われています。

 一方、デジタル化の加速が企業にとってのリスクを増大させていることも忘れてはなりません。知っての通りサイバー攻撃の手口は巧妙さを増すばかり。油断しているうちに、価値ある情報がごそっと持ち出されるなどという危険性と常に背中合わせにあるわけです。

 最新ITで情報武装することが競争優位につながる─。これを否定しようとは思いませんが、自らの足下を見つめ直すこと、つまり、脅威などへの備えをしっかりと固めることを忘れては、せっかくの強みが瓦解することにつながってしまいます。「そんなの分かっているよ」という声が聞こえてきそうですが、はたして、それが常に強く意識され、揺るぎなく措置が講じられているでしょうか。私はいささか疑問を感じてしまいます。

 できあがったシステムにおいて、安定的に、かつリスクを排除して動かし続けることは、日々の「運用」業務でカバーされるわけですが、ここが旧態依然としていたり、属人的なスキルでまかなわれたりと、なかなか進歩していないように思うのです。OA(オフィスオートメーション)という言葉を持ち出すと古くも聞こえてしまいますが、いわゆる業務の自動化・合理化のアプローチが今なお進んでいない。昨今の技術進歩をもってすれば、もっとインテリジェントに業務をこなせることを知りつつ、メスが入っていないのです。

 企業のIT投資の中で最も大きな割合を占めているのが運用です。中には8割という指摘もあるぐらいです。どの企業にしたって、予算も人的リソースも限られています。だとしたら、運用業務を徹底的に効率化して、それで浮いた分を戦略的な領域に振り向けていかなければなりません。つまり、システムマネジメントを戦略的に考えることは待ったなし。ITで競争力を育もうと考えるなら、何にも増して運用を高度化させることが先決なのです。

 まずは、現状で人手に頼っているオペレーションをできる限り自動化していく必要があります。コスト削減の観点だけでなく、人を介したオペレーションには、常に情報漏えいや改ざんのリスクが伴うことを強く意識すべきです。つまり、セキュリティ強化やコンプライアンス対応の観点から、コンピュータ運用の自動化は急務なのです。

旧態依然とした運用を根本から見直す

 とはいえ、ここでは万能の方法論やシナリオがあるわけではなく、言葉ほど簡単なことではありません。現状を見ると、コンピュータ運用のあり方を変えることに、企業自身が慎重になっているケースも散見されます。例えば金融機関などでは、開発したシステムに対して仮に5年間の運用期間を設定したなら、その間は大幅な改修や新規開発を凍結するといった計画至上主義が、いまだに根強く残っています。さらには、運用管理の担当者からも、「コンピュータ運用を改善して効率化してしまうと、自分たちの仕事がなくなってしまうのではないか」といった声を聞くことすらあります。

 これに対して、グローバル市場での競争相手となる海外企業のIT部門は、もっとダイナミックな動きを見せています。過去からの習慣だとか、組織的なしがらみなんかは関係ありません。常にどうやったら自分たちの負荷が減り、システムを確実かつ安全に動かせるかといった視点で意欲的に情報を集めます。それで目にかなうプロダクトを見つければ、すぐに試験導入などのアクションを起こす。それが生み出す競争力の違いは決して小さくないと思うのです。

 日本のユーザー企業も「運用=保守的な作業」という意識から脱却し、「自社の競争力を高める戦略的な取り組み」へと、いち早く舵を切らなければなりません。私がブロードという会社を立ち上げるきっかけとなった一番の問題意識もここにあります。コンピュータに企業が振り回されることなく自ら主導権をもってコントロールし、それを企業の強みに変えていくことに寄与したい。そこに何が必要となるのかを見極めて、ニーズを満たすソリューションを世界中から見つけてきたり、時には自社でポートフォリオを補完したりすることが当社の事業の柱です。戦略的システムマネジメント──その具現化こそが日本企業の成長を根本から支えると確信しています。

著者プロフィール

株式会社ブロード 代表取締役 姫野惠悟氏

1949年富山県生まれ。慶応義塾大学工学部管理工学科卒業後、IT商社に14年間勤める。1987年に株式会社ブロードを設立。ユーザーサイドに立った「コンピュータ運用を考える会」を東京・大阪で立ち上げ、事務局として活動。セキュリティと運用は表裏一体との信念の下、ソフトウェアを提供している。

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