[事例ニュース]

北大、全国のHPCIユーザーに膨大なITリソースを提供するクラウド基盤を構築

2014年4月3日(木)IT Leaders編集部

北海道大学情報基盤センターは2014年4月1日、総容量1.96PBの大規模ストレージ、仮想サーバ環境、Hadoop分散処理基盤などの運用を開始した。スパコンネットワークのHPCI(High Performance Computing Infrastructure)を利用する全国のユーザー向けに構築されたもので、その概要を構築を担当した日立製作所が伝えている。

 HPCIは、理化学研究所の10PFLOPS級スーパーコンピュータ「京」をはじめ、国内の大学・研究所などに設置されている主要なスパコンや大規模ストレージなどをSINET4ネットワークで結び、1つのユーザーアカウントから利用することができる研究開発支援のためのHPCインフラである。

 このたび北海道大学情報基盤センターが運用を開始した新しいシステム群の正式名称は「ペタバイト級データサイエンス統合クラウドストレージシステム」。HPCアプリケーションによる高速処理や大容量データの格納・管理を必要とする全国の研究者に膨大なITリソースを提供する基盤として活用される。HPCIの利用アカウントを有するユーザーは、ポータル画面を介した簡単な操作から、新システムにアクセスし必要なITリソースを利用できるようになる。

 新システムでは、総物理容量1.96PBの大規模ストレージシステム、25ノード/500コアを搭載した日立アドバンストサーバ「HA8000/RS210」、Hadoop分散処理基盤が採用され、「日立クラウド基盤導入ソリューションPowered by Apache CloudStack」をベースにして構築されている。

 日立によると、新システムでは次の2点で同社独自の実装が施されている。1つは、仮想サーバ環境においてHadoopなどを稼働させる際に課題となっていたストレージへの負荷の平準化を行う処理機能の実装だ。これは上述の基盤導入ソリューションに備わる仕組みを利用したもので、ストレージへの負荷による性能劣化を解消している。

 もう1つは、HPCIで標準利用されている「Shibboleth(シボレス)」認証(異なるドメイン間で認証情報を引き継ぐシングルサインオン機能を提供する認証技術)への対応。これにより、新システムやHPCIを構成する他のシステムへのログインプロセスが共通化され、スムーズにログインを行えるようになっている。

「ペタバイト級データサイエンス統合クラウドストレージシステム」の利用イメージ(出典:日立製作所)
 
プロジェクトの概要
ユーザー名 北海道大学情報基盤センター/HPCI
業種 研究・教育機関
導入システム HCPシステム
導入目的 HPCを用いた研究開発の支援、ビッグデータ分析をはじめとする高速な並列処理ニーズへの対応、など
導入時期 2014年4月1日
主な利用製品・サービス 日立クラウド基盤導入ソリューションPowered by Apache CloudStack、日立アドバンストサーバHA8000/RS210、など
関連キーワード

北海道大学 / HPC / スーパーコンピュータ / 北海道 / 札幌市 / 日立製作所

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