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[データマネジメント2014]

リアルタイムなビッグデータ活用を実現する
SAP HANAテクノロジー

データマネジメント2014注目講演:SAPジャパン

2014年5月12日(月)

ビッグデータを現実のビジネスに活かすためには、データの収集や予測などをリアルタイムに行うことが求められる。それを実現するSAP HANAのテクノロジーについて、グローバルな活用事例を交えた解説が行われた。

ビッグデータを業務に活かす
先行事例から学ぶ3つのポイント

SAPジャパン株式会社 ソリューション&イノベーション統轄本部 テクノロジーソリューション部長 林 幹人 氏

 セッションに登壇した林氏は冒頭、F1マクラーレンチームで使われている「SAP HANA」テクノロジーを紹介。F1マシンに取り付けられた120のセンサーから、サスペンションの動き、エンジンの挙動などあらゆるデータを収集し、レース中に毎分1000回ものシミュレーションを実施することで、ピットインのタイミングの予測やチューニングによるマシンの安定化、空力特性の最適化などマシンパフォーマンスの向上などにつなげている先駆的な事例だ。

 顧客のビジネスのリアルタイム化を加速する取り組みを2011年から本格化させているSAPでは、それまでのERPやBIといった分野に加えて、クラウド、モビリティ、データベースなどの領域でも事業を拡大している。中でもSAP HANAは2010年にインメモリーデータベースとしてスタートして以来、急速な成長を見せており、OLAP/OLTPの統合やパートナーとの提携による新たなエコシステムの構築といった展開も進めている。「SAP HANAの環境は、オンプレミスはもちろんのこと、クラウドそしてハイブリッドでも提供されます。いつでも自由に実装方式を選択し、それを状況に応じて柔軟に変更することが可能です」と林氏は強調する。

リアルタイムなビッグデータ活用を容易に実現する「SAP HANA」

 ビッグデータによるビジネスの課題解決では次のようなプロセスが求められる。まずデータを収集して何が起こっているのか現状を把握し、それがなぜ起きたのかを分析、次に何が起きるのかを予測した後に、最終的に何が一番いい施策なのかまで示すのである。林氏は、これらの過程にスピードを伴わせることの重要性を強調する。「ゆっくりと分析・予測した結果、既に施策を打つタイミングが過ぎ去ってしまっていたのでは意味がありません。いかにリアルタイムにすべてを行うかが大事。マクラーレンチームの事例のように、それを実現できるのがSAP HANAなのです」(林氏)。

 SAP HANAは統計解析エンジンを搭載しており、現状把握から分析・予測、そして予測されることをビジネスに生かすまでのプロセスをリアルタイムに実行する。これにより、従来であれば莫大な投資が必要であったり時間がかかったりしていたことでも、誰でも簡単に行えることを全面に打ち出す。

ビッグデータ活用のポイントを示す当日のプレゼン資料
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 講演の後半で林氏は、SAP HANAを活用したリアルタイム・ビッグデータの先進的な取り組み事例をいくつか紹介した。そのうちの1つである海外の重機製造メーカーでは、トラクターの信頼性分析や故障予防をSAP HANAによって実現している。車両に取り付けられたセンサーからは油圧やエンジンの温度・回転数など様々なデータがリアルタイムに送られており、そうした情報を分析することで故障発生の予測を可能としているのである。事前に故障する可能性の高い部品がわかるため、保守部隊が迅速に対応して工事の停止を未然に防ぐことに貢献しているという。さらに、一連の情報をフィードバックすることで、生産・品質管理の向上や次の製品への反映などにも活かされているのである。

 続いて林氏が紹介したのは、世界的なタイヤメーカー、ピレリでの事例だ。こちらもタイヤにセンサーを埋め込み、タイヤの空気圧や温度、走行距離をリアルタイムに測定し、タイヤの長寿化や最適な交換タイミングの予測に役立てている。2011年に行われたテストでは、600台の車両で実に年間400億ものイベントが発生したという。「将来的には、タイヤ異常のリアルタイム通知だけではなく、近隣のサービスステーションの情報や、優れたステーションのレコメンデーションなど、ドライバーの利便性を向上する情報の提供まで実現していく構想を描いています」と林氏は説明する。

 他にも、自動車メーカーや鉄道会社などでの事例を紹介した林氏は、最後にビッグデータの先進的な活用を実現するためのポイントについて次のようなアドバイスを送り講演を締めくくった。

 「いずれの事例も自分たちのサービスを伸ばすためではなく、顧客や取引先などステークホルダーが何をやれば喜ぶのかを主眼に置いています。そこで求められるのが、相手の身になって考え、共感することで新たなビジネスを生み出すデザインシンキングです。そしてもう1つ、ただデータを所有しているだけではなく、自分たちのビジネスや組織、ITの現状についてきちんと把握することが大切。SAPでは、自社が有するデータにどういった可能性があるのかを理解するためのアセスメントも実施しています。これらの試みも合わせて、今後もSAPの新たなアーキテクチャを皆さんのビジネスに貢献できるよう尽力していきたいと考えています」。


問い合わせ先
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/japan/
TEL:0120-786-727 (受付時間:平日9:00 〜 18:00)
Webからのお問い合わせ: http://www.sap.com/japan/contactsap/
 

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