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[新製品・サービス]

「IoT」の普及をにらむ? 消費者向け技術で
ITサービス管理の変革を目指す「MyIT2.0」

2014年6月10日(火)田口 潤(IT Leaders編集部)

画期的な技術革新か、それともちょっとしたアイデアか──。システム運用/ITサービス管理ツールを提供するBMCソフトウェアが、一風変わったITソリューション、「MyIT2.0」を2014年6月10日に発表した。利用者から見たITサービス、特にヘルプデスクの業務をモバイルやソーシャルなどB2C向けの技術を使って変革するものだという。

写真1 米BMCソフトウェアのアジア太平洋CTOであるスハス・ケルカー氏

BMCソフトウェアが今回発表したMyIT2.0は、率直に言って現時点ではアイデア・レベルの印象。だが成熟度が高まればITサービス管理を変革するポテンシャルがあるように思える。では、MyITとはどんなものか? 米BMCソフトウェアのアジア太平洋CTOであるスハス・ケルカー氏(写真1)との一問一答形式で示そう。

ヘルプデスクなどITサービスを変革する狙いは?

 消費者向けの技術──モバイル、ソーシャル、クラウド──は過去数年の間に大きく進化し、マニュアル不要で直感的に操作できるのが普通になった。これに対して企業ITはどうか。ある調査によると、一般ユーザーの40%近くは企業ITに対して何らかの不満を抱えている(図1)。操作がよく分からないシステムは多いし、トラブルもある。IT部門に対処を依頼しても、すぐに解決されない。

図1 ユーザー部門とIT部門との間に認識のギャップがあることを示した米フォレスターリサーチの調査
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 IT部門向けにツールやサービスを提供してきたBMCは、消費者向け技術を活用してこの問題を解決しなければならないと考えた。利用者、IT部門の双方にもたらすメリットも大きい。米フォレスターリサーチは、企業の従業員は平均して月間18時間をIT関連の悩みに費やすと報告している。セルフサービスで簡単に問題を解消できればその時間が節約でき、ストレスなく業務に集中できる。IT部門もユーザー満足度を高められ、時間を節約できるからだ。

具体的に、どんなソリューションなのか?

 デバイスを問わず稼働するアプリとバックエンドのシステムから構成される。アプリはGoogle検索のように直感的に利用でき、デバイスを問わず稼働する(図2)。問題や要求がある時、アプリに入力すれば即座に応答する。絶えず各種のサービスの状況が更新されるので、ITに障害が起きたとき、ユーザーは迷わなくて済む。

図2 MyITの全般的な特徴
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いわゆるヘルプデスクの機能をアプリにして提供する?

 その通りだが、単純なヘルプデスクとは異なる。例えば問題や要求を、定型的なフォームの形で記入する必要はない。自然言語で問い合わせることができる。利用者同士のフォーラムも用意しており、誰かの問い合わせに対して、解決策を知っている別の利用者が回答したりできる。ヘルプデスク担当者からの回答を待つ必要がなくなる。

 クラウドサービスであるForce.comで稼働する、Remedyforceというヘルプデスク機能と連動する(図3)。例えば音声で問い合わせをしたり、コンシェルジェに何かを依頼するように何時どこにいるので回答が欲しいというリクエストを出すことも可能だ。社外にいるのか、自宅か、それとも社内なのかなどユーザーの状況を理解する、コンテキストアウェア(状況認識)を前提にしているからだ。

図3 Force.comで稼働する「Remedyforce」というヘルプデスク機能と連動する
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想定する典型的な利用例は?

 たくさんある。PCやモバイルデバイスのセットアップ、入社時の手続き、プリンターの故障、社外からのアクセス手順などだ。必ずしもITそのものやITを使った業務とは限らない。「お客がきているので水を持ってきてほしい」「部屋の温度が高いので空調を下げたい」といったシーンはよくあるはずだ。MyITによって、そういったすべての手続きや処理をシンプルにモバイルで完結させる。そうすることがITサービスに求められている。

水を運んだり空調を制御するのは、ITだけでは完結しないはずだ。

 今はそうかも知れない。しかし、IoT(Internet of Things)を持ち出すまでもなく、あらゆるデバイスがネットワークにつながっていくのは間違いない。照明でも空調機器でも何でもそうだ。消費者がスマートフォンで買い物をしたり、タクシーを手配できるのと同じように、企業内でも必要な操作をITでできるようになる。

 社内の依頼を統合して単一の窓口で処理してくれれば、利用者には便利なはずだ。工場などの事業所でも同じである。IT部門の視点ではなく、ビジネスユーザーの視点で考えると、このようになる。

 今後、問い合わせを受けたり制御する機器は増える一方だ。しかしMyITは、自然文の問い合わせをバックエンドで変換し、最適な回答を導き出すことができる。バックエンドは高度で複雑な働きをするが、利用者はそれを知る必要がないことが利点だ。これは他社がやっていない、BMCがはじめて考えたことでもある。

導入形態や価格は?

 オンプレミスでもSaaSでも、導入可能だ。料金はヘルプデスクの席数で課金しており、1席あたり8900円/月。Remedyforceを導入済みの企業なら追加費用は不要である。Remedyforceなしでも使えるが、あった方がMyITを有効活用できる。

◇ ◇ ◇

 いかがだろうか? 筆者が最も印象に残ったコメントは、「IT部門の視点ではなく、ビジネスユーザーの視点で考えると、このようになる」だ。つまり空調や照明、水の手配などを、ITサービスの一部としてモバイルデバイスから簡単に行えるようにするのは利用者から見れば必然になることである。IoTを企業のオフィスや工場に適用すれば、確かにそうなり得る…。

 なお、米BMCソフトウェアは、スハス・ケルカー氏を責任者とするグローバル・インキュベータ・チームを運営している。このチームは運用やITサービス管理ツールなどを視野に入れつつ、モバイルやクラウド、ビッグデータ、ソーシャルなど様々な技術を自由に研究する役割を持ち、「そこからMyITの発想が生まれた」(同)という。

 

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BMC Software / MyIT / ヘルプデスク / Force.com / Remedyforce

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