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[海外動向]

【IAITAM ACE 2014 Spring】クラウド、モバイルが本格化する中で重要性増すIT資産管理

2014年6月30日(月)武内 烈=国際IT資産管理者協会

クラウドサービスが普及する中、欧米企業の間では、ハードウェアやソフトウェア、データ、利用するサービスといったIT資産をどう管理していくかが話題になっている。複雑化するIT資産管理に関わる情報を得る格好の場に、「IAITAM(International Association of IT Asset Managers:国際IT資産管理者協会)」が年に2回開催するカンファレンスがある。2014年4月29日から5月1日にかけては米ラスベガスで「IAITAM 2014 ACE(Annual Conference and Exhibition) Spring」(が開催された。同カンファレンスの概要を報告する。

 IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)といったクラウドサービスが、ホットなテーマになっている。一方で、個人端末の業務利用(BYOD:Bring Your Own Device)も広がっている。クラウドやBYODでも、蓄積されるデータやMDM(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)のソフトウェアは企業の資産であり、データの所在や廃棄を含めて適正に管理する必要がある。企業のIT利用環境は複雑さを増す一方だ。

写真1:IAITAM 2014 ACE Springにおける初日の朝食会の模様。アットホームな雰囲気だった写真1:IAITAM 2014 ACE Springにおける初日の朝食会の模様。アットホームな雰囲気だった
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 「IAITAM(International Association of IT Asset Managers:国際IT資産管理者協会)」は、IT資産管理(ITAM)やソフトウェア資産管理(SAM:Software Asset Management)、ハードウェア資産管理に様々な側面から関与している個人と組織の専門家のための協会である。2011年には日本支部が設置されている。2002年から年次カンファレンス「ACE(Annual Conference and Exhibition)」を開催している。2014年のACE Springには、欧米の大手企業のIT資産管理責任者や担当者を中心に約500人が参加し、展示会には約20社が出展した(写真1)。

 「参加者が500人?こじんまりしているなあ」と思われるかも知れない。だが、参加費は日本円で約15万円かかる。主催者によると「秋のカンファレンスは1000人以上が参加する」という。IT資産管理という専門的なテーマで、年間1500人以上が参加するというのだから、欧米での関心の高さがうかがえるのではないだろうか。適切なIT利活用、コンプライアンス、セキュリティ管理など、IT資産管理はIT活用の基本であり、IAITAMの取り組みは日本企業にとって大いに役に立つはずである。

IT資産管理のベストプラクティスとなる「IBPL」

 以下、このカンファレンスの模様を報告したい。その前に、IT資産管理について少しだけ触れておきたい。日本でIT資産管理といえば、主にPCのハードウェアや周辺機器、PC用ソフトウェアなど、管理が行き届きにくいクライアント環境を想定しているケースが多い。これに対しIAITAMが提供するIT資産管理のベストプラクティス「IBPL(IAITAM Best Practice Library)」には、12のキー・プロセス・エリアがある(表1)。

表1:IT資産管理の「IBPL」における12のキープロセスエリア
IBPL(IAITAM Best Practice Library)
調達管理
(Acquisition Management)
財務管理
(Financial Management)
資産識別
(Asset Identification)  
法務管理
(Legislation Management)
コミュニケーション&教育
(Communication and Education)
ポリシー管理
(Policy Management)
コンプライアンス管理
(Compliance Management)
プログラム管理
(Program Management)
廃棄管理
(Disposal Management)
プロジェクト管理
(Project Management)
文書管理
(Documentation Management)
ベンダー管理
(Vendor Management)

 

 例を挙げよう。クラウド環境によるリソースプール(資源の共有化)を実現するには、仮想化されたサーバーやストレージが必要である。だが、それだけでは不十分だ。リソースプール(資源の共有化)の利用には、いかのような事柄が必要になる。

・組織横断的なリソース利用の識別
・標準化に則ったリソースのカタログ化
・IT資産の提供をサービスと捉えたサービス業務プロセスの設計
・リソースプールの効率化のためのベンダー管理、ライセンス契約の統合

 これらがないと、利用者から見た使い勝手が悪く、サービスの利用状況も把握・管理できなくなる。別の表現をすれば、情報システム部門はオンデマンドで消費されるサービスを、ユーティリティ(電気・ガス・水道)を提供する事業者と同様に、リアルタイムで管理する必要がある。

 当然、そのサービスの構成要素であるCI(Configuration Item:構成アイテム)を、CI購入の粒度からサービス構成要素の粒度に至るまでを管理する「BOM(Bill of Material)」が欠かせない。難しい表現になってしまったが、IT資産管理が単に購入した製品の所在や購買時期を管理することとは全く別物であることを、ご推察いただけるのではないだろうか?

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