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オラクル、DBaaSを構築する最新版管理ソフト「Oracle Enterprise Manager 12c」をリリース

2014年7月15日(火)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)

日本オラクルは2014年7月15日、データベース運用管理ツールの最新版を提供開始した。製品名は「Oracle Enterprise Manager 12c Release 4」。データベースの利用状況を可視化する機能を強化、データベースの自動構築機能も追加した。

 Oracle Enterprise Managerは、複数のデータベースを一元管理する運用管理ソフト。最新版の強化ポイントは主に3つある。

統計情報を長期保管する機能を追加

 データベースのパフォーマンスに関する統計情報を、長期間にわたって蓄積する機能を追加した。機能名は「Automatic Workload Repository Warehouse」。

 これまでは、データベースの処理性能に影響を与えないよう、ログデータの保有期間を8日とし、それを超えたものは自動的に削除していた。最新版では統計情報を外出しできるようにした。保管先のディスクが許す限り、無制限にデータを蓄積できる。

 過去のログデータを分析することによって、インフラ整備の計画を立てられる。例えば、ECサイトの場合、お中元シーズンに備えてインフラを強化する際、年末商戦時のログを手がかりにアクセス負荷を予測するといった使い方できる。

 データベースのパフォーマンスを分析するためのGUIも改善した。パフォーマンスに問題が生じている場所を自動的に見つけて、管理者に対処を促すレコメンド機能も追加。高度な技術者でなくとも、パフォーマンス問題に対処できるようにした。

Database as a Service機能の追加

 データベースの構築作業を自動化する機能を追加した。データベースのサイズや運用レベルなどを事前設定しておくと、専用の管理画面でボタンをクリックするだけで、サーバーやストレージと連携し、自動的にインスタンスを起動する。

 従来、データベースの構築には時間が掛かることが多かった。各種設定の実務作業もさることながら、担当上司の承認を得た上で、データベース管理者に構築を依頼。さらにサーバーやストレージの担当者の協力を仰ぐといった副次的な作業にも時間をとられるからだ。一連の作業を自動化して、調達に掛かる時間を短縮する。

 自動生成するデータベースはバリエーションを持たせられる。例えば、サイズは小さいが、RAC構成で日次増分バックアップをとる必要があるもの、サイズは大きいが、データ保護は週次のフルバックアップだけで済ませるものといった具合だ。

メンテナンスの負担を軽減

 セキュリティの確保を容易にするための工夫も凝らした。

 まず、パッチ適用の自動化機能を強化した。条件分岐オプションなどを改善し、複雑な手順もこなせるようにした。従来は、クラスタリング構成を採用している場合には自動化しきれず、手作業で対応する必要があった。

 機密情報の所在を把握する機能も追加した。管理下にあるデータベースをスキャンし、顧客情報やクレジットカード番号など機密性の高いデータの所在を把握する。必要に応じてマスキングや暗号化などの対策を管理者に促す。

 さらに、セキュリティや監査に対応するためのテンプレートも追加。新たに、クレジットカード業界のセキュリティ基準である「PCI DSS」や、米国国防省のセキュリティ技術導入ガイドライン「STIG」にも対応した。

 「データベースのログを分析すれば、システム全体の稼働状況をつぶさに把握できる。それを支援するのが今回の機能強化である。一見地味なバージョンアップだが、システム運用に転機をもたらすものだ」(日本オラクルの山本恭典執行役員)。

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