[海外動向]

デジタル化の加速とサイバー攻撃、「世のルールは変わったが、明文化されていないのが大問題だ」

RSA Conference 2014 Asia Pacific & Japan 基調講演より

2014年7月23日(水)川上 潤司(IT Leaders編集部)

2014年7月21〜23日、シンガポールでセキュリティ関連のイベント「RSA Conference 2014 Asia Pacific & Japan」が開催されている。初日のキーノートに登壇した、アート・コビエロ氏(米EMC エグゼクティブバイスプレジデント 兼 RSA エグゼクティブチェアマン)の講演内容を紹介する。

 RSA Conferenceは企業システムや社会システムのセキュリティをテーマとするパブリックなカンファレンス。その名に「RSA」とあることから、EMCのセキュリティ部門であるRSAのプライベートイベントととらえがちだが、そうではない(もっとも、RSAは当イベントのダイアモンドスポンサーであり、キーノートにはRSAのトップが登壇するのが通例となっているので同社の存在感は大きい)。

 毎年、米サンフランシスコで開催するものが規模としては最も大きく旗艦イベントという位置付けだ。そのほかにアジアやヨーロッパなどでも定期的に開催しており、その規模は年々大きくなっている。今回はそのAPAC(アジア太平洋)版であり、今年からはイベント名に「& Japan」の文字も冠された。

 会場となったマリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)のコンベンションセンターには、アジア各国から多くの来場者が参集。シンガポール流の“おもてなし”なのか、ジャケットがないと肌寒いほど冷えた大ホールに、アート・コビエロ氏(米EMC エグゼクティブバイスプレジデント 兼 RSA エグゼクティブチェアマン)が登場した。

サラエボ事件の100年後に起きていること

写真1 キーノートスピーチに臨んだアート・コビエロ氏

 コビエロ氏は、100年前の1914年に起きたサラエボ事件の話から口火を切った。オーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者であるフランツ・フェルディナント夫妻がサラエボで暗殺され、第一次世界大戦勃発の契機になったとされる出来事である。

 これを話題にした意図は、国家間の(あるいは経済活動の)「Interdependency=相互依存性」を、氏なりに改めて振り返ることにあったようだ。

 事件のさらに100年ほども前から起き始めた産業革命は、世界交易のあり方を大きく変えるものだった。工業国となり比類なき生産性を高めた国家は、原料供給地および市場として植民地を支配下におくことに奔走し、覇権国家としての勢力争いを繰り広げていった。

 利害が一致する国々は手を結ぶ動きを加速させた。やがて、欧州を中心とする諸国の歴史的背景やナショナリズム勃興など様々な要因がからみ合って、悲惨かつ熾烈な全面戦争へとつながっていったのは周知の通りである。戦争へと突っ走った時代は、国家間をまたがる政治的システムは働かず、軍事力・国家力によるパワーバランスによって、相互依存性が形成されていった歴史でもある。

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