[調査・レポート]

サイト改竄、偽装メール、ゼロデイ攻撃などの多発で対策製品は2ケタ成長―IDCの国内セキュリティ製品市場調査より

2014年8月14日(木)IT Leaders編集部

IT市場調査会社のIDC Japanは2014年8月13日、ソフトウェアとアプライアンス製品を含めた国内セキュアコンテンツ/脅威管理市場について、2013年の市場規模実績と2018年までの予測を発表した。

 調査にあたってIDCは、同市場をエンドポイントセキュリティ、メッセージングセキュリティ、Webセキュリティ、ネットワークセキュリティの4つの機能別市場に分類し、ソフトウェア製品とアプライアンス製品を合わせた市場規模の算出および予測を行っている。

 調査の結果、2013年の国内セキュアコンテンツ/脅威管理製品市場の市場規模は1630億円(前年比成長率15.2%)に達したという。IDCは2ケタ成長の背景として、大企業を中心に業績が回復傾向にある点、Webサイトの改竄や偽装メール、ゼロデイ攻撃、スマートフォンを通じた情報窃取などのセキュリティ侵害事案の多発を挙げている。

 また、今後の市場予測として、IDCは同市場の2013年~2018年における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が3.9%で、2018年の市場規模が1,974億円にまで拡大すると予測している。「市場全体の7割超を占めるソフトウェア市場が、標的型サイバー攻撃やモバイルデバイスのマルウェアへの対策ニーズによって、2014年以降もエンドポイントセキュリティを中心に需要が高く、市場拡大を牽引すると見ている」(同社)

国内セキュアコンテンツ/脅威管理製品市場の機能別売上額予測・2013年~2018年(出典:IDC Japan, 2014年8月)

 機能別市場ごとの傾向分析で、エンドポイントセキュリティ製品市場についてはコンシューマー向け市場と企業向け市場の両方に言及がなされている。それによると、2013年、コンシューマー向け市場の規模は528億円(前年比成長率16.9%)で、企業向け市場の規模は394億円で(前年比成長率15.4%)。両方を合わせた市場全体の規模は前年比16.2%増の922億円であったという。

 IDCは、コンシューマー/企業の両市場とも、Windows XPのマイクロソフトによるサポート終了に向け、PCの買い替え需要の高まりが、エンドポイントセキュリティ製品の需要拡大を後押ししたと分析。また、企業向けについては、サーバー仮想化環境に対応したエンドポイントセキュリティ製品への需要が拡大しているとのことだ。

 2013年のネットワークセキュリティ製品市場の規模は、前年比27.0%増の344億円となった。IDCは、2014年以降も、標的型サイバー攻撃対策として多層防御機能を備えたUTM(統合脅威管理システム)やIDS/IPS(侵入防御/検知システム)への需要は継続して高いと見ている。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの登坂恒夫氏は、政府機関や防衛関連産業、金融機関、化学産業など特定の産業分野を標的としたサイバー攻撃が後を絶たないことから、セキュリティ製品ベンダーや関連企業に次のような提言を行っている。

 「セキュリティベンダーやパートナーは、産業特化型の標的型サイバー攻撃対策製品と、その導入支援や運用管理といったセキュリティサービスをパッケージ化した産業特化型標的型サイバー攻撃対策ソリューションの提供を推進していくべきである。そのためには、産業特化型ソリューションを提供しているベンダーやパートナーとの協業も必要になる」

 同調査は、IDC Japanが発行した「国内セキュアコンテンツ/脅威管理製品市場 2013年の分析と2014年~2018年の予測:エンドポイント、Web、メッセージング、ネットワーク」(J14210106)にその詳細が報告されている。

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