[矢坂徹の「CIOの心得」]

IT部門が内包すべき機能 その3
~ビジネスプロセス分析・改善力

2014年10月30日(木)矢坂 徹(ウェッジ・コンサルティング代表)

IT部門に欠かせない5つの内製機能のうち「ビジネスプロセス分析・改善力」を詳しく解説する。これまで多くの場合において、外部コンサルタントに頼っていた機能であり、意識的に取り組まなければ体得できないものである。

 職業柄、大手企業のCIOの方とお会いする機会が多々あります。現状の課題について議論している時に、「IT部門に必須だと分かっているが、なかなか育たないスキル」として挙がるのが、今回のテーマとする「ビジネスプロセス分析・改善力」。IT部門がこれからも存続していく上で必要不可欠な機能であることには疑問を挟む余地はないのではないでしょうか。各論に入る前に、まずは私が考える「ビジネスプロセス分析・改善力」の位置付けについて整理しておきましょう。

多くは外部コンサルに頼っていたスキル

 アウトソースベンダーが、ITサービスにおけるセグメントごとに適正価格で円熟したサービスを提供できるようになってきた昨今、IT部門が内製でコモディティサービス(インフラ構築、簡易なアプリケーションの開発、データセンター/コールセンターの運用など)を提供する意義は希薄になってきています。

 一方で、自分たちの業務を熟知し、デジタルネイティブ世代の若手が増えているビジネス部門がITの活用で力を付けています。いわゆるスーパーユーザーの台頭です。IT部門に頼るより、ベンダーと直接話をした方が早いという声もあり、すでにWebコンテンツの展開などの領域では、IT部門が関与しない案件も増えているのは周知の通りです。

 それだけではありません。生産性向上を図る業務改革や管理会計指標の見直しといった案件においても、ややもすると“IT部門抜き”で議論され、方針が決定した後になってIT部門に協力要請が来るという話も聞き及ぶようになってきました。当のIT部門はというと、経営陣からIT予算を抑えるべしとの強いプレッシャーの中、思うように事が運ばず歯がゆい思いをしているようです。

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