[インタビュー]

「IT資産管理の合理化なくして“攻め”は具現化できない」─米LANDeskのCEO

2014年12月19日(金)川上 潤司(IT Leaders編集部)

IT資産管理を主軸に製品展開を図る米LANDesk(現Ivanti)。クラウドやモビリティが進む中で、どのような価値をユーザーに提供しようと考えているのか。来日した同社CEOのスティーブ・ダリー(Steve Daly)氏に近況を踏まえた戦略を伺った。

まずはLANDeskのコアビジネスについて伺いたい。

米LANDESKでPresident and CEOを務めるスティーブ・ダリー氏

 企業が保有するハードやソフトの数は膨大だ。システムライフサイクルに沿って計画的に入れ替えていくため、正しくライセンスを使ってコンプライアンスを維持するため、会計資産として正しく計上するため…色々な意味において、“実状”を把握することが欠かせない。ここで、人が台帳を作って“マニュアル”で管理するのは非現実的であり、効率的に対処するためのものとしてIT資産管理ツールがある。

 当社はこの領域を出発点に、すでに20年以上も事業を展開してきた。その間、セキュリティ管理、モビリティ管理、ITサービス管理などにポートフォリオを拡げ、ユーザー企業におけるガバナンスとユーザビリティの高度化に寄与してきたと自負している。

 多くの企業において、IT資産管理に実務を担うのはIT部門。なかなか要員数が増えない中で、ビジネスに直接的に貢献せよとのプレッシャーも日増しに高まっている。彼ら、彼女らが、より戦略的な仕事に注力できるようにするためにも、ハードやソフトに関わる日常的な管理業務の負荷は、可能な限り削減しなければならない。それを具現化するのが我々のミッションだ。

 IT資産管理において大切な考え方は、従業員のライフサイクルに沿って、トータルに効率よく管理できるようにすること。当社製品においては、従業員の入社から退社までを対象に、すべてをまとめて自動化するポートフォリオが揃っている。

具体的には、どんなメリットを享受できるのか。

 IT資産管理への取り組みは、ユーザー企業によって各社各様だ。ツールを活用してがっちり管理している企業もあるが、表計算ソフトの台帳で対処しているようなケースも実は少なくない。人の判断や作業に依存する割合が高いと、どうしても漏れやミスが生じてしまう。それは、時間やコストの無駄に直結するわけで、はやり各種の機能が統合されたツールの活用が理にかなっている。

 いくつか、当社のソリューションを導入した企業の例を挙げてみよう。ある会社では従業員が入社する都度、IT部門がPCを供与すると共に、使用するソフトウェアのラインセンスを管理していた。しかしながら、退社するタイミングでの“引き上げ”が徹底できていなかった。社内で使われているPCは約1万4000台と把握していたが、当社製品でチェックしたところ実際は1万1000台であることが判明。差分のPCにあてがっていたライセンスを回収・解約したところ、すぐに月間数万ドルのコスト削減につながった。

 別の会社では、エンジニアリング部門での案件進捗管理にMicrosoft Projectを導入していた。ツールを使ってソフトウェアの利用状況をモニタリングしたところ、MS Projectのビューワー機能だけが多用され、より高度な他の機能が使われていないという事実を突き止めた。フリーで提供されるビューワーソフトで代替するなどの善後策を講じた結果、100万ドルのコスト削減を実現した。

 こうした効果を提供する上で基軸となる製品が「LANDesk Management Suite」。インベントリ収集、ライセンス管理、パッチ等のソフト配布、リモートコントロールといったIT資産管理に必要となる機能を統合したスイート製品である。社内にあるPCなどのデバイスをネットワークを介して自動的に検知し、各種スペックや、そこで動作しているソフトウェアなどの情報を収集。一方で、会社が契約しているライセンス情報と付き合わせる機能を内包しており、過不足を洗い出せるのが特徴だ。

クラウドベースのアプリケーションが増えたり、仮想デスクトップが実用期に入ったり、システム環境が複雑化している。これらへの対応状況は?

 クラウドや仮想化環境への対応も着々と進めてきた。まずSaaSで提供されるアプリケーションの利用状況を把握・可視化する機能はすでに実装している。

 ハイパーバイザー上で稼働する仮想マシンやゲストOSのインベントリ情報を収集・管理することもできる。デスクトップ仮想化ついては、サーバーの仮想環境上でクライアントのイメージを管理しユーザーごとに配信する方式、つまりはVDIには対応済みだ。イメージベースではなく、サーバーに配置した1つのクライアントOSを複数ユーザーでシェアする方式については目下の課題で、次期バージョンでの対応を考えている。

競合するベンダーも多いと推察するが、独自性として何を訴求しているか。

 IT資産管理の市場でいえば、ワールドワイドではFlexera Software、日本国内では、SKYSEAやLanScope Catといったものとも商談でぶつかることが多い。

 当社独自の技術をアピールするなら、一例として「PeerDownload」がある。これは、最新パッチの適用など、クライアントに対してソフトウェアを配信する際のテクノロジーで、IT資産管理業務の中でも日々の運用面で効いてくるものだ。配信タスクがある場合、ほとんどの製品では各クライアントが配信サーバーに一斉に当該ソフトウェアモジュールを取りにくる。これに対して当社製品は、ネットワークセグメントを代表する1台だけがサーバーにアクセスしてソフトを取得、その後にセグメント内にあるクライアントにP2P(ピア・ツー・ピア)で転送する。結果、サーバーやネットワークに負荷をかけることなくソフト配信を終えることができる。

 料金体系でもアドバンテージがあると考える。当社製品は、端末ごとではなくユーザーごとに課金するのが特徴だ。昨今、1人の従業員がオフィスのPCに加え、スマートフォンやタブレット端末など複数のクライアントを使うケースが増えている。IT資産管理ソフトを使うにあたり、端末ごとに料金がチャージされるとしたら、ユーザー企業は毎年いくら予算を確保しておけばよいかが判然とせず困るだろう。当社製品を使う限りは、従業員数で予算を組めるので、計画的に対処できる。

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