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「プラットフォーム2.5」とは何か? EMCジャパンが事業戦略説明会で強調

2015年2月4日(水)田口 潤(IT Leaders編集部)

「EMCは、“第3のプラットフォーム”を実現する製品を推進している。2015年は、それに向けて“プラットフォーム2.5”を打ち出し、企業のITインフラ革新をサポートする」。EMCジャパンは1月末に事業戦略説明会を開催し、大塚俊彦社長はこう説明した。はっきり言えば、分かりやすいとは言えない。第3のプラットフォームや、プラットフォーム2.5は何を意味し、EMCは何をするというのだろうか?

 第3のプラットフォームは米国の調査会社であるIDCが提唱した考え方だ。企業ITの世界では、およそ10年~20年のスパンでIT基盤やその基本アーキテクチャ、つまりプラットフォームが変遷してきた。第1のプラットフォームは1980年代までのメインフレームと端末、第2は1990年代から2000年代にかけてのLAN/インターネット、クライアントサーバーシステムだった。現在はモバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドなどを構成要素とする第3のプラットフォームの時代、その創成期というものである。

図1 IDCが提唱する考え方「第3のプラットフォーム」 (出典:IDC Japanのレポートより。詳細はhttp://www.idcjapan.co.jp/Report/4Pillars.html
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 この考え方を理解したとしても、LAN/インターネット、クライアントサーバーを基本とする第2のプラットフォームを、いきなりモバイルやビッグデータ、クラウドによる第3のプラットフォームに移行させられるわけではない。スムーズに、あるいは段階的に移行させるには「橋渡し役としてのプラットフォーム2.5が必要」(大塚社長)というわけである。

 では、それはどんなものか? 大塚社長は「3つの軸がある」と前置きし、それぞれについて説明した。1つはEMCの祖業と言えるストレージ。半導体メモリーを搭載した高性能のフラッシュ・ストレージ(製品はXtremlO)、低コストかつ大容量のソフトウェア・ディファインド・ストレージ(製品はScaleIO、ViPR)、ビッグデータに適したストレージ(Isilon、Elastic Cloud Storage=ViPRを使ったアプライアンス製品)を、それぞれ強化する。

 第2の軸は垂直統合型のサーバーシステム。米Cisco Systemsと協業する「VBLOCK」、それにEMCが主導する「VSPEX」である。前者は周知の通り、CiscoのブレードサーバーUCSとEMCのストレージ、VMwareの仮想化ソフトを組み合わせた主にデータセンター事業者など、大規模用途向けのサーバー。したがって一般企業に向けたプラットフォーム2.5の中心になるのは、どちらかというとVSPEXになる。

 VSPEXは、ほかにはあまりないユニークな製品だ。EMC製のストレージを必須としつつ、IAサーバーとしてはCiscoやIBM、HP製のサーバー、ネットワーク機能はCiscoやBrocade製、仮想化ソフトはVMwareまたはMicrosoft、さらにCitrixのVDI(仮想デスクトップ)ソフトなど適材適所に組み合わせる。用途や規模別にEMCが構成を設計して動作検証を済ませ、VDIやプライベートクラウドのIT基盤として短期導入できるようにした。RSA製のセキュリティツールなども事前に組み込める。

 少々ややこしいが、例えばBYOD(私物端末の業務利用)に対応するVDIを、(費用は別にして)手軽に導入できるアプライアンス製品の一種と考えれば分かりやすいかも知れない。ネットワンシステムズや伊藤忠テクノサイエンス、 キヤノンITソリューションズなどのパートナー経由で販売する。もっとも不可能を承知で言えば、本来、これはSI(システムインテグレータ)の役割だろう。仮にSIが主導すれば、ストレージをEMC以外からも選択できるようになり、ベスト・オブ・ブリードの垂直統合型システムに一歩近づくはずである。なお大塚社長は「ビッグデータの処理に焦点を合わせた垂直統合型システムも投入する」と述べた。

 第3はソリューション。EMC傘下のVMwareが提供するvCloudサービスやソフトバンクなど外部の事業者が提供するハイブリッドクラウド・サービス「VMware vCloud Air」、同じく傘下のPivotalが提供するオープンソースのPaaS「CloudFoundary」など企業向けのハイブリッド・クラウドを今年、本格的に展開する(図2)。特にVMware vCloud Airは、仮想化基盤として広く普及しているVMwareと互換性がある。VMwareユーザーなら新たなスキルやノウハウ習得がほぼ不要という点で、「OpenStack」などよりも魅力的かも知れない。

図2 EMCが推進する「プラットフォーム2.5」
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 とはいえ、これらでどうやって、LAN/インターネット、クライアントサーバーから成る第2のプラットフォームを第3のそれに移行できるのかは、必ずしも明確ではない。第2に第3の要素を付け加えるだけともとれる。大塚社長自身、「EMCジャパンの社長に就任して2カ月、100社ほどの顧客と話をさせていただいた。感じたのは、EMCの取り組み、VMwareやPivotalなどを含めた企業連合としての取り組み、それからEMCが進める技術革新のポートフォリオ全体を、分かりやすく伝えられていないこと。この点を責務として、きちんとやっていきたい」と語る。
 

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