IT部門に欠かせない5つの内製機能のうち「パートナー対応能力」について詳しく解説する。IT戦略遂行にメリハリをつける上で、アウトソーシングを積極的に検討する企業は増えているが、“自立的な”よい関係を形成できている例は必ずしも多くない。その背景を考えることを1つの材料に、パートナーとの協業のあり方や、その時に必要となるIT部門の素養について考える。
昨今、IT関連業務の全てを内製でまかない、アウトソースは一切していないというケースは極めて希です。つまり、多くの企業において、何らかの形で協力を仰いでいる外部のパートナー企業が存在しています。
ここで質問を1つ。「アウトソースがうまくいっている」とはどんな状況を指すのでしょうか。「委託した業務を大きな失敗もなく無難にこなしてくれている 」あるいは「安価に社外のリソースを使えている」ということでしょうか?
私の考えは少し違います。以下に、私なりに考える「アウトソースをうまく活用できている」という状態を説明しながら、今回のポイントに言及していきます。
“自立的アウトソーシング”とは
アウトソースを引き受けるパートナーが力を備え、ITサービスのセグメントごとに、円熟した支援を適正価格で提供できるようになってきました。こうした状況下、コモディティ・サービス(インフラ構築、アプリケーション構築、データセンター運用、コールセンター運用など)をIT部門の内製のみで対処するのはコスト高にも繋がり、むしろ積極的にアウトソースを検討するのが主流になっています。
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