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アプリでビッグデータを分析?日本テラデータが事業説明会で公表

2015年3月6日(金)田口 潤(IT Leaders編集部)

「ビッグデータには期待と失望がある」−−。日本テラデータが3月5日に開催した2015年度の事業説明会で、吉川幸彦社長は、こう切り出した。ビッグデータ活用は今、企業規模や業種を問わず大きなテーマの1つ。同社製品を使っているかどうかはさておき、本誌読者に知っておいてほしいと思える内容がいくつかあったので報告しよう。

 日本テラデータの2015年度の事業説明会には、米本社の共同社長でDWH(Data Warehouse)部門の総責任者でもあるハーマン・ウィマー氏と、R&D部門であるテラデータ・ラボの社長、スコット・ナウ氏も同席した。

 その中で日本テラデータの吉川幸彦社長は、ビッグデータの期待と失望を、次のように説明する。

 「金の鉱脈だと思って勢い込んで掘った。ところが想定外に金の含有量が低く、有意な結果がなかなか得られない。しかも掘るための準備、すなわちデータの整備に時間がかかり、待ち切れないという問題もあった」

 言い得て妙な表現だが、当然、これで終わるわけではない。

 「であれば分析を速くできればいい。含有量がどうであれ、より多くを掘ることができれば得られるものも増える」

 では、分析を速くするために、テラデータは具体的にどうというのか。その1つがコンサルティングの強化だという。主に分析に向けたデータの準備時間を短縮する。

 第2が、簡単に、何度でも分析できるようにするためのビッグデータ分析用アプリケーション「Teradata Aster AppCenter」である。テラデータがアプリケーションのテンプレートを提供し、データ分析担当者がアプリケーションを作り、一般ユーザーに提供するような形を考えているようだ(図1)。例えば、顧客が離反に至る経路の分析や、誰が最も影響を持つかを調べるインフルエンサー分析といったアプリケーションを想定する。

図1:小売業向けAppCenterの例図1:小売業向けAppCenterの例
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 ナウ氏は、「Hadoop上のビッグデータは、Asterにより分析しやすくなった。しかしそれでも一般のビジネスパーソンには難しい。そこで特定のビジネス課題を分析するプログラムを、スマートフォンのアプリのような形で提供する」と話す。

 本当に、スマホのアプリをいじる感覚でビッグデータを簡単に扱えるのかどうかには疑問も残るが、これまでになかったアプローチであることは間違いない。テラデータは、AppCenterを2015年4月から提供を開始する。

 そして第3がインメモリー技術の活用である。「2015年にはインメモリー技術を使った、クールでクールで、そしてクールな革新的な製品を出す。とてもワクワクする製品だ」とナウ氏は紹介した。当然、安価ではないだろうが、ビッグデータ分析を大幅に高速化できるのであればメリットはあるはず。独SAPの「HANA」への対抗策でもあるようだ。

 今回の事業説明会では、もう一つ大きな宣言があった。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)への取り組みである。テラデータといえば通信や金融、流通などビジネス系の印象が強いが、ここへ来てIoT、具体的には製造業のユーザーが増えていると、ウィマー氏は明かす。

 「独シーメンスは自ら『データドリブンの会社になる』と宣言し、センサーや製造プロセス、マシンのデータを統合し、価値を引き出そうとしている。フィンランドの製紙機械メーカーであるValmeは、顧客が製品をどう使っているか、予防保守の時期はいつかなどを見出すことを実施中だ。最近では、独BMWもユーザーになった。彼らはIoTではないが、グローバルサプライチェーンの最適化、具体的には部品ロジスティックスの最適化を狙っている」

 テラデータとしては、IoTのために製品ラインを強化する。同社は現在、「UDA(Unified Data Architecture、関連記事参照)と呼ぶ考え方に基づき製品を開発しており、構造化データと非(多)構造化データを蓄積・分析するDWHとHadoopを要している。ここにIoT向けの機能を追加する(図2)。

図2:UDA(Unified Data Architecture)をベースにIoT関連機能を追加する図2:UDA(Unified Data Architecture)をベースにIoT関連機能を追加する
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 ナウ氏によれば、「ここではリアルタイム処理とあるが、実際にはストリーミング処理だ。オープンソースのStormやSparkといったソフトウェアを活用し、JSON形式のデータを分析できるようにする」という。

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