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東大ほか、グローバルな高機能仮想網の構築と新世代ネットワークアプリケーションの実験に成功

2015年4月1日(水)IT Leaders編集部

東京大学情報学環らは2015年3月31日、広域仮想網「日米欧ネットワーク仮想化テストベッド」を使い、グローバルなマルチドメイン環境でソフトウェアによって制御できる仮想網の構築と、新世代ネットワークアプリケーションの実験に成功したと発表した。NTT、KDDI研究所、日立製作所、NEC、富士通が参画し、米国ユタ大学の協力を得た。

 仮想網の構築では、仮想化技術で生成する論理的なネットワークである「スライス」を日米欧3大陸で相互接続し、資源情報や制御情報を交換する技術を検証した。世界規模のスライスを即時に構築でき、インターネット利用者に対し、将来の接続性や利便性を提供できる可能性を実証できたとする。

 新プロトコル「IPON」(IP over Null)を開発し、ネットワーク仮想化テストベッド上のスライスで動作を検証した。IPONは、アドレスが冗長なIP/Ethernetプロトコルの短所を解消するもので、WANとLANで同一のIPアドレスを使用する。冗長なアドレスを統一するだけでなく、ループ(冗長性)のあるネットワークでも正常に動作することなどを確認した。

 今後のトラフィック増が予測される映像配信に向け、映像配信技術を日米間のスライス上で検証した。端末やネットワークの状況に応じて、映像の圧縮やマルチキャストをネットワークが自動で処理する。映像配信サーバやネットワークの負荷を減らすとともに、サービスの中断を最小限にした映像配信サービスが可能になるとしている。

 動画ストリーミングにおけるセキュリティも検証した。IPS(Intrusion Prevention System:侵入防御システム)による通信制御実験で、1Gbpsを超える通信トラフィック環境で、クライアントからの動画ストリーミングアクセスに対し、ソフトウェアベースIPSとvOFS(virtual OpenFlow Switch)との組み合わせでトラフィック識別と経路制御を検証した。

 具体的には、URL中の文字列をチェックして正常なアクセスであるか否かを判断。正常であれば正しいコンテンツサーバーに接続し、不正アクセスの場合は別コンテンツを提供するサーバーに接続するよう経路を制御する。正常なアクセスであれば、問題なく動画ストリーミングを再生できることを確認した。

 アプリケーションに特化したQoS(Quality of Service)制御では、端末トラフィックのアプリケーションを識別して、アプリケーションごとにスライス収容。各スライスで、SDN(Software-Defined Networking)のフレームワークを使ってQoS制御やトラフィックエンジニアリングが実現できることを実証した。

 応答性能の向上を図る技術も検証している。ユーザーの位置を検知して、データをユーザー近傍の仮想化ノードに事前に配置する。ユーザーが移動すれば、移動先の仮想化ノードを検出し、ユーザーに近い仮想化ノードにデータを移動/配置することで、途切れなくデータにアクセスできることを確認したという。

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