[ユーザー事例]

あきんどスシローのビッグデータ活用と全日空のレガシー移行の“共通点”とは?

2015年4月13日(月)IT Leaders編集部

回転寿司チェーン最大手のあきんどスシローと大手エアラインの全日本空輸(ANA)。業種も業態もまったく異なる2社だが、共通点が1つある。経営・事業においてITが重要な役割を果たしていることだ。それを理解できる格好の場が、CIO賢人倶楽部が2015年3月に開催した「事例に学ぶ、ビジネスに直結するシステム構築」と題する年次セミナーだった。

 CIO賢人倶楽部(木内里美代表)のセミナーは3回め。1回めは「復活日本~経営に貢献するITとCIOの役割」(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/10518)、2回めは「世界で勝つグローバルシステムの要諦」(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/11083)だった。今回は「事例に学ぶ、ビジネスに直結するシステム構築」と銘打って、あきんどスシローの田中覚 情報システム部長と、全日本空輸(ANA)の荒牧秀知 業務プロセス改革室イノベーション推進部長が、それぞれの取り組みを講演した。
回転寿司チェーンと航空会社という異色の組み合わせであり、IT活用の内容もまったく異なる。しかし熾烈な競争環境の中で、勝ち残りに向けて真剣にITの活用に挑んでいる点は共通だ。セミナーのタイトルそのものズバリの内容だったのである。以下、両社の講演からそれぞれの取り組みを報告しよう。

あきんどスシロー
100万円/1000人/1万皿が店舗の1日

 「あきんどスシローは日本全国に391店舗を擁し、年商1300億円の回転寿司チェーンです。1店舗あたりの一日の来店客は1000人で平均10皿召し上がります。一皿の単価は100円なので、売上高は1日100万円。つまり100万円/1000人/1万皿が店舗の1日です。単純でしょ?」。同社の田中氏はこう切り出した。

 これだけ聞けば確かに単純だが、実際はそうではない。12時間営業として単純計算すると1時間あたりの客数は80人以上で、昼時や夕方など時間帯によって変動する。加えて、「当社は基本方針として注文を受けて寿司を握るのではなく、寿司レーンに流すことを大事にしています。レーンに乗ったまま食べられないと鮮度が落ちる。まずい理由は結局、鮮度なので、古いものは廃棄します」というから、客の状況を見て流さないと、廃棄が増えてしまう構造だ。

 それに寿司のメニューは約120種もあるので、うまくやらないと食べられないままに終わる皿が増える。食材の原価が安ければいいが、「味にこだわって売り上げの半分強を食材費にかけます」というから、大変である。ちなみに従業員数はパートやアルバイト含めて3万8000人。1店舗あたり100人近い計算になるが、本社スタッフや仕入担当も含まれるから実際はもっと少ない。休日やシフト勤務もあり、個人経営の寿司店のように人の経験や感覚に頼った運営は不可能である。

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