[事例ニュース]

三井住友海上、顧客対応強化を狙いコールセンターに新システム導入

2015年4月21日(火)魯 玉芳(IT Leaders編集部)

三井住友海上火災保険は、コールセンターにおける顧客対応の品質向上を狙い新システムを構築した。テキストマイニングを中核に、多種多様なデータから関係性やパターンを導き出す「IBM Watson Content Analytics」を採用。顧客の問い合わせ傾向を事前に把握し、的確な対応や、コールセンター運営の効率化に役立てる。日本アイ・ビー・エム(IBM)が2015年4月16日に発表した。

 国内市場が飽和傾向にあり、新規契約の獲得がなかなか難しい状況にある保険業界。既存顧客にしても、様々な情報を入手しやすくなった今は、他社商品とじっくり比較して少しでも有利な契約に切り替えようとの動きがある。そこで重要性が高まっているのがコールセンターの役割だ。電話やネットを通じて寄せられる問い合わせなどに的確に応え、顧客からの信頼を得る地道な活動が、継続的な成長を下支えすることとなる。

 三井住友海上も例外ではなく、かねてからコールセンター業務の強化に取り組んできた。もっとも、ここ最近では年間の問い合わせ件数が70万件を超えるようになってきており、単に要員を増加させるだけではなく、顧客対応業務をさらに高度化させることが課題となっていた。

 顧客の契約内容や、過去の問い合わせ履歴などをオペレータのPC画面に表示して対応するのは基本であり、こうした仕組みは多くの保険会社がすでに整えている。ここで、「なぜ、このタイミングで、その問い合わせをしてきたのか」という背景情報を事前につかめていれば、より的確に情報提供できることとなり、そのキメ細かさが、他社との差異化ポイントとなる。

 例えば、ある自然災害が発生したら契約保険の適用範囲となるかどうか、法制度に変更があったら料金改定があるかどうか、契約満了が近づいたら更新手続きをどうすればよいか…。問い合わせ内容は、何らかの“イベント”と因果関係のあるものが少なくない。そのほか、契約者の年齢/性別/家族構成といった顧客タイプや、契約時期などによって、問い合わせに一定のパターンが見られる。

 コールセンターで扱っている各種情報を総合的に分析することで、こうしたパターンや傾向をより正確につかむことができれば、それぞれに最適化した対応が可能となるし、コールセンターの運営や、Webサイトなどを通じた情報発信においても改善の方向性が見えてくる。

 ここに目を付けた取り組みが、今回の三井住友海上の事例だ。大量かつ多様なデータに、自然言語処理やテキストマイニングなどの機能で分析を加えて関係性やパターンを可視化する「IBM Watson Content Analytics V3.5」をクラウド環境に導入、顧客からの問い合わせの全体動向を把握することに役立てる。

 分析対象とするデータは、メールによる問い合わせ内容、コールセンターにて記録した顧客対応内容など多岐にわたる。日付や数値など一定の形式をもったものもあれば、文章に書き記した不定形のものなどが雑多に混在する。Watson Content Analyticsは、これらを総合的に分析し、「大型連休前には、帰省した子息が一時的にクルマを運転する際の保障範囲に関する問い合わせが増える」といったことを導き出す。この例はまだ分かりやすい方だが、保険商品は複雑かつ膨大であり、ベテランでも気付かない傾向が数多く内在する。今回の取り組みで、埋もがちなパターンの可視化を図る。

 前もって予測ができれば、分かりやすく解説するシナリオを描けるばかりでなく、その分野に詳しいスタッフをコールセンター内に適正配置することが可能となり、結果として、顧客対応の品質を高められる。また、よくある質問とその回答をWebサイトに掲示することで、コールセンターの入電抑制(応答率向上)につなげられる。さらに、当システムによって得られた月別の知見(問い合わせ傾向)を元に、社員や代理店向けのガイドブックも作成。顧客に寄り添った提案活動を展開する上での、参考資料とする取り組みも始めた。

 今後は、クラウド上に構築した分析システムのデータと、既存の基幹システムのデータとの連携を図ることで、“個客”起点のサービス変革に活かしていくという。

【プロジェクトの概要】
ユーザー名 三井住友海上火災保険
事業内容 保険
導入システム コールセンター分析システム
導入目的 顧客サービス強化
主な利用製品 「IBM Watson Content Analytics」
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