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[デジタルビジネス時代の到来]

デジタルビジネス時代の共創を生み出す
─インテグレーションとDBPFを力に─

【インタビュー】富士通 取締役執行役員専務 谷口 典彦 氏

2015年5月12日(火)

ICTは日々刻々と進化し、従来のビジネスのあり方を塗り替えようとしている。そうした変化に対応し、事業や経営を革新することが日本企業が直面する大きな課題の1つだ。それをサポートするために企業の基幹システムを手掛けてきた富士通は、どのような取り組みを進めているのか。同社インテグレーションサービス部門長を務める谷口典彦 取締役執行役員専務に聞いた。(聞き手はIT Leaders編集主幹 田口潤)

企業のパートナーとして共に変革を起こす

──「Digital Disruption」と呼ばれる、ICTによる創造的破壊によって、これまでの常識が大きく覆されつつあります。円安、株高を原動力として日本経済が明るさを取り戻しつつある今は、そうした動きを取り込み、変革する好機といえます。しかし例外はあるにせよ、日本企業の動きは総じて鈍いように思えます。

谷口 ICTの進化と一般企業の認識には温度差があります。実際、多くの企業では、そうした劇的な変化はもう少し先の未来の話と捉えているように感じています。ただICTに対して感度の高い企業は十分に認識しており、変化に対応していかなければ、本業のビジネスが立ち行かなくなると危機感を抱えていますね。

 何よりもSNSやIoTに代表されるように、データの発生源そのものがデジタル化しており、企業が活用すべきデータの量が桁違いに増えています。そうした新しい膨大なデータを活用できる企業と、そうでない企業とでは成果に差が出るのは当然です。

富士通 取締役執行役員専務 インテグレーションサービス部門長 谷口典彦氏

──一方でICT投資の7割が既存システムの保守運用に充てられ、新規分野への投資は3割程度に留まっているという現実があります。守りのICT、攻めのICTという言葉がありますが、後者を実践するには、ICT投資の比率を変える必要がある。このことについてはいかがですか。

谷口 正直に言えば、当社のようなICTベンダーにとっては、大規模なシステムを構築して保守運用し続けることは、居心地の良いビジネスです。しかしもはや、そこに甘んじるわけにはいきません。ですから、おっしゃる通り、投資の内訳を攻めのICT投資にシフトさせる必要があります。己が身を削ってでも、既存システム領域
のコストを縮小する努力をお客様と共に行う。そこで生まれる原資を新しいICTへと振り分けなければならないと認識しています。

──自ら身を削ると? 言うは易しですが、本当にできますか。

谷口 やります。同じ事を十年一日繰り返していたのでは、結局、売上高は減っていきますから、やるしかないんですよ。ベンダーの立場としても新しい分野を自ら切り拓いていくことは欠かせません。すでにユーザー企業の情報システム部門だけでなく、経営層に対しても最新のICTに関する情報発信や提案を積極的に行い、意識を新しい方向へと向けてもらえるよう努めています。

──しかし、これまで富士通は「ICTのことなら、すべてお任せ下さい」といったスタンスで、企業のICT環境をシステム企画も含めてサポートしてきました。それはある面で富士通の強みですよね。今のお話はそういうやり方ではなく、ユーザー企業が主導してICTを利活用するようになって欲しいと聞こえます。大きな転換に思えますが、いかがでしょう。

谷口 もちろん富士通にICTの全てをお任せ頂き、私たちが主体となって提案、構築を担うことは引き続きやっていきます。ですが経営や事業とICTの距離が近づき、一体になろうとする中では、それだけではやはり十分ではありません。例えば、お客様が上流工程の企画立案を主導し、実際のICTの運営は富士通が担当するといったパートナーシップが大事になります。

 一例を挙げると1990年代初期のアウトソーシングブームの頃、コスト削減を目的としてICT環境すべてをベンダーに委任する動きが多々ありました。しかし単にコスト削減を目的にシステムをベンダーに丸投げしたのでは事業革新などは望むべくもなく、結局、行き詰まってしまいます。現に、そんな目的でのアウトソーシングは10年経って最終的にはユーザー企業に回帰しました。

 今日のICTは経営や事業に及ぼすインパクトが飛躍的に大きくなっています。そうである以上、ユーザー企業が主導するのは当然ですし、かつてのアウトソーシングのようなことを繰り返さないようにしなければなりません。

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