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インフラ構成自動化ツールの「Puppet」、ネットワールドが国内で提供開始

2015年5月13日(水)田口 潤(IT Leaders編集部)

ネットワールドは2015年5月13日、構成自動化ツールの専門企業である米Puppet Labsと日本でのディストリビューター契約を締結。同社の「Puppet Enterprise」(サポート付商用版)を発売すると発表した。

 多数のサーバーを運用・管理するプライベートクラウド。利用者にとっては必要な時に必要なだけシステム資源を調達できるので便利だ。しかし運用管理サイドでは話が異なる。要求に応じて、サーバーやネットワークの設定、ソフトウェアのインストール、ユーザーグループの作成などを確実にこなす必要があり、負担は大きい。人手でやると間違いも発生しがちで、やり直しになってしまう。

 だが問題があれば解決策もある。インフラ構成自動化ツールや設定管理ツール、構成管理ツール、さらにはInfrastructure as Codeなど呼び方は統一されていないが、ITインフラ設定を自動化するツールが存在するのだ。ITインフラ構築や関連ソリューションを専門にするネットワールドは、そうしたツールの1つを開発する米Puppet Labs(パペット ラブズ)と提携。同社製品「Puppet Enterprise」(サポート付商用版)を販売開始すると発表した(http://www.networld.co.jp/news/press2015/0513.htm)。

 Puppet Enterpriseは、仮想サーバーを調達した前提で、「OSの設定と更新、およびミドルウェアやアプリケーションの導入・設定・更新を自動化するソフトウェア」(同社のリリースより)である。Cisco Systems、Arista Networks、Cumulus Networksなどのスイッチの設定もサポートする。設定を自動化するというと便利そうだが、実際にはどんな仕組みや機能なのか。人手でこなすのと何が違ってくるのだろうか?

 基本的には、OSやミドルウェアに関する必要な事柄(欲しい状態)を設定ファイル(マニフェストと呼ぶ)に記述すると、それに従って自動的に設定する。この時、「任意の操作を何度実行しても同じ結果になる性質=冪等性(べきとうせい)」があるのがPuppet Enterpriseの特徴だ。少し分かりにくいが、設定がすでに求める状態であれば何もしない、システムの状態とマニフェストが違っていれば求める状態になるまで設定を繰り返す、ということだ。この特徴により調達時の仮想サーバーの状態に関わらず、必要な設定にできる。

 欲しい状態を宣言的に記述すると、Puppet Enterpriseが解釈するので、1ステップずつ手順書を記したり、OSのシェルスクリプト言語で記述して実行したりするのに比べて効率が良く、間違いも少ない。またPuppet Enterpriseではマニフェストの記述をコードで表現しているため、他のシステムにも流用できるほか、同じようなシステムを構築する場合、既存のコードをカスタマイズすれば済むため、ゼロから記述するのに比べると手間を削減できるという利点もある。もちろんサーバー数が数10台、数100台と多くなれば効果は大きくなる。

 導入費用は、Puppet Enterprise Standardサブスクリプションライセンス(12ヵ月)が2万2000円(99ノードまでの1ノード単価)から、Puppet Enterprise Perpetualライセンスは単価5万2000円(99ノードまでの1ノード単価)から、である。ノード数が多くなると総額も増えるが、ボリュームディカウントが用意されている。国内でのサポートが得られるようになった今、運用高度化という意味でも検討するべきだろう。

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