[新製品・サービス]

オラクル、24種以上のPaaS/IaaSの投入でOracle Cloudポートフォリオを大幅拡充

2015年6月23日(火)河原 潤(IT Leaders編集部)

米オラクルは2015年6月22日(米国時間)、同社クラウドサービス「Oracle Cloud」のポートフォリオを、24種以上の新しいPaaS/IaaSを投入し拡充したと発表した。同日に米国で開催されたイベントで、同社取締役会長兼CTOのラリー・エリソン(Larry Ellison)氏自らによって戦略と概要が語られた。

 オラクルの発表によると、新しいPaaS/IaaSの大量投入は、イノベーションの推進に取り組む企業の開発者やITプロフェッショナル、ビジネスユーザーにデジタルトランスフォーメーションを促し加速させるものだという。

 今回、特に強化されたのが同社のPaaS群「Oracle Cloud Platform」だ。データベース基盤の「Oracle Database Cloud Exadata Service」、ビッグデータ基盤「Oracle Big Data Cloud Service」、アプリケーション統合基盤の「Oracle Integration Cloud Service」、モバイル開発基盤の「Oracle Mobile Cloud Service」、ビジネスプロセス基盤の「Oracle Process Cloud Service」などが新たに利用可能となった。また、正確にはクラウドストレージであるが、同社のIaaSカテゴリーに属する新サービスとして「Oracle Archive Storage Cloud Service」が加わっている。

 エリソン氏は、「Oracle Cloudこそが、クラウドの全層にわたって完全に統合された標準技術に基づくスイートを提供できる、地球上で唯一の企業だ」と豪語。同氏は、技術的な優位性だけでなく、費用対効果の面でも競合他社より上を行くとして、「我々の新しいOracle Archive Storage Cloud Serviceは、Amazon Glacierと同等の機能を有しながらも、10分の1の価格で提供する」としている。

 オラクルは、新しいPaaS/IaaSのうち6サービスについて概要を公開している。以下がその要約を示す。

Oracle Database Cloud Exadata Serviceでは、Exadata上のOracleデータベースと同等の機能、パフォーマンス、可用性をクラウドで提供する(出典:米オラクル)

■Oracle Database Cloud Exadata Service
Oracle Database Cloud Exadata Serviceは、既存のOracle Database CloudをOracleデータベース実行プラットフォーム「Oracle Exadata Database Machine」に対応させたPaaSだ。同サービスにより、オンプレミスで稼働するExadata上のOracleデータベースと同等の機能、パフォーマンス、可用性をもって、Oracle Database Cloud上でも稼働できるようになる。同社によると、クラウド上にデプロイされたOracleデータベースはオンプレミス稼働のそれと100%の互換性を保ち、オンプレミスからクラウドへ、あるいはハイブリッドクラウド構成へのシームレスな移行が可能だという。

■Oracle Archive Storage Cloud Service
Oracle Archive Storage Cloud Serviceは、企業が求めるSLA(サービスレベル条項)の下で長期保存を必要とするアプリケーションやワークロードを格納するクラウドストレージサービス。オラクルは同サービスを「ディープクラウドアーカイブ」と呼び、企業の財務データや医療データ、製薬アーカイブデータ、文化保全データ、保険データとデジタル映像マスターといった、アクセス頻度の低い大規模なデータセットの長期保存に適するとしている。

 ユーザーは、Oracleおよびサードパーティ製バックアップ/アーカイブ管理ソフトを介して、同サービスに格納された文書やデータセットに容易にアクセスできるという。上述のエリソン氏の発言にあるように、オラクルは同サービスを業界で最も低い価格レンジで提供する構えだ。

■Oracle Big Data Cloud Service/Big Data SQL Cloud Service
Oracle Big Data Cloud Serviceは、ビッグデータの取得/管理多様なワークロードを実行するための安全なプラットフォームを提供するPaaS。今回、同社の「Big Data SQLツールセットのクラウド版として「Big Data SQL Cloud Service」が加わった。両者を組み合わせることで、クラウド上にHadoopやApache Spark、NoSQLベースの実行基盤を置くビッグデータ管理クラウドプラットフォームを構築できるようになる。

■Oracle Integration Cloud Service
Oracle Integration Cloud Serviceは、クラウド/オンプレミス間で、Oracleアプリケーションやサードパーティアプリケーションの統合を簡素化するためのアプリケーション統合PaaS。オラクルは、「Oracle SOA Suite」でのアプリケーション統合実績に基づき、ビジネスユーザーにとっての使い勝手を確保した上でシンプルで直感的なアプリケーション統合手段を提供するとしている。

■Oracle Mobile Cloud Service
Oracle Mobile Cloud Serviceは、オラクルが「MBaaS(Mobile Backend as a Service」と呼ぶ、モバイルアプリケーションのバックエンド基盤における複雑さを取り除くためのPaaS。オラクルは、同サービスによって、企業の開発者が、クラウド上の堅牢なバックエンド基盤と統合されたモバイルアプリケーションを迅速に開発しデプロイできるようになるという。

■Oracle Process Cloud Service
Oracle Process Cloud Serviceは、ビジネスユーザーに、業務プロセスに即したイノベーティブなアプリケーションを提供するためのBPM(ビジネスプロセス管理)/ビジネスプロセス自動化PaaS。ビジネスユーザーはゼロコードベースでビジネスプロセスのライフサイクル全体を管理し、プロセスの健全性とSLAの維持に関する具体的な洞察を得られるという。例えば、モバイルワークフローを提供する手動プロセスを自動化し、SaaSアプリケーションをカスタマイズするといったことが可能になる。

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