[調査・レポート]

2014年の国内ディスクストレージ市場は前年比-2.6%、ハイエンド製品が大幅に落ち込む─IDC

2015年6月29日(月)IT Leaders編集部

IDC Japanは2015年6月29日、2014年の結果に基づいた2015年~2019年の国内外付型ディスクストレージシステム市場予測を発表した。メインフレーム向けをはじめとするハイエンドストレージの2ケタ減が効いて、市場全体の売上額は前年比-2.6%となった。

 IDC Japanによると、2014年の国内外付型ディスクストレージシステムの売上額は1866億1300百万円で、前年比-2.6%と減少に転じている。その前の2013年はメインフレームの大型更新の集中やサーバー仮想化やVDI(Virtual Desktop Infrastructure:デスクトップ仮想化)などの仮想化環境向け、さらにクラウド環境向けのストレージ需要の拡大で前年比10.6%の高い成長を示していた。IDCによると、2014年の結果は、2013年の高成長の反動が現れており、特に2014年のメインフレーム向けストレージが前年比18.3%減といったように、ハイエンド(システム価格3000万円以上)が2桁減の大幅な落ち込みを記録したことの影響が大きかったという。

 一方、2014年は落ち込みの激しかったハイエンドとは逆に、ミッドレンジ(システム価格500万~3000万円未満)が2桁増の高い伸びを達成し、ハイエンド、ミッドレンジ、ローエンド(同500万円未満)の3セグメントの中でミッドレンジが最大の市場規模となっている。IDCはその理由を、仮想化環境やクラウド環境において、高信頼性、高可用性に加え最新のストレージ機能(ストレージ仮想化、重複排除/圧縮、フラッシュ搭載など)を備えたミッドレンジのコストパフォーマンスの高さが評価されたためだとしている。

図1:国内外付型ディスクストレージシステム市場、クラス別売上額の予測、2013年~2019年(IDC Japan、2015年6月)

 これらの結果からIDC Japanが算出した、国内外付型ディスクストレージシステム市場の2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)を1.5%。この成長率で2019年には2008億5500万円の規模に達することが見込まれている。

 セグメント別のCAGRを見ると、ハイエンドがマイナス3.3%であるのに対し、ミッドレンジは3.2%、ローエンドは3.3%での成長が予測されている。この2つのセグメントでのCAGRから、2019年の国内外付型ディスクストレージシステム売上額で、ミッドレンジとローエンドの合計が77.0%(2014年は70.8%)に達するという予測になっている。

 仮想化環境向けやクラウド向けストレージへの需要は引き続き増加を続けている。IDCは、2015年以降もこれらの需要拡大が、国内外付型ディスクストレージシステムの成長を牽引していくと見ている。

 また、ビッグデータやIoTのようなメガトレンドの台頭も後押しして、出荷容量自体もさらに増加傾向が続く。IDCによると、2014年の国内外付型ディスクストレージシステムの出荷容量は1518PB(ペタバイト)で、2014年~2019年のCAGRを36.1%として、2019年には7089PBに達するとのことだ。

 調査を担当した、IDC Japan ストレージ/サーバー/IPDS/PCs グループディレクターの森山正秋氏は次のようにコメントしている。「国内のディスクストレージ市場は、成長分野と縮小する分野が明確に分かれる。ストレージサプライヤーは成長分野に焦点を当てた成長戦略を確立すると共に、自社のターゲットを明確にしていくことが求められる」

 今回の発表はIDCが発行したレポート「国内ディスクストレージシステム市場2014年の分析と2015年~2019年の予測」(J15480102)にその詳細が報告されている。

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