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[市場動向]

データセンターのスペース効率を測る「SpUE」―新指標の目的と価値は?

電力、CO2、水に続く第4の指標「スペース効率」に着目し、ITインフラコストを削減する

2015年7月17日(金)河原 潤(IT Leaders編集委員/データセンター完全ガイド編集長)

データセンターのエネルギー効率指標として、電力使用効率を数値化するPUE(Power Usage Effectiveness)がよく知られているが、メトリクスの種類はそれだけではない。本稿では、ICTのエネルギー効率化に取り組む業界団体グリーン・グリッド(The Green Grid、本部:米国オレゴン州)によって2014年に策定された新しいエネルギー効率指標「SpUE」(Space Usage Effectiveness:スペース使用効率)」を紹介・解説する。

省エネ施策が追いつかないほど情報量とIT利用機会が増大

 電力使用効率指標のPUE(Power Usage Effectiveness)が策定されたのは2008年。CPUの高性能化やその実装の高密度化に伴って、IT機器の消費電力が増大の一途をたどっていた頃だ。当時、地球温暖化対策が世界規模で叫ばれ、CPUやサーバーをはじめとするハードウェアベンダーや、莫大な電力を消費するデータセンターを運営する事業者/企業には、地球環境保全への社会的責任をまっとうすべく「グリーンIT」「省エネ型データセンター」が求められていた。

 時は流れて今は2010年代も半ば。省エネ技術も着実に進歩したが、クラウド、モバイル、ビッグデータ、IoTと、それが到底追いつかないほどITの利用機会が飛躍的に増大している。今や、グリーンITや省エネ型データセンターといった言葉を聞かなくなるぐらい前提の、当たり前の課題になってきている。

 情報量とITの利用機会が拍車をかけて増大を続ける中、企業がサステナブルな社会の実現に寄与していく観点から、より本腰を入れた省エネ施策も必須――。そこでグリーン・グリッドが新たに策定したのが「SpUE」(Space Usage Effectiveness:スペース使用効率)」だ。同団体はSpUEを、「企業や事業者が、エネルギー効率を念頭に置きながらIT機器を増設していくにあたって、データセンター/サーバールーム内のスペースの最適な使用効率に着目した指標」であると説明している。

 グリーン・グリッドが策定・提唱するエネルギー効率指標としては、新しいSpUEは、電力使用効率のPUE、二酸化炭素(CO2)使用効率のCUE(Carbon Usage Effectiveness)、水使用効率のWUE(Water Usage Effectiveness)に加わる、4つ目の指標となる。

 既存の3つの指標は算出基準となる分母にはいずれもIT機器の消費電力量を入れ、分子に設備全体の電力、CO2、水をそれぞれ入れて値を算出するという、2つのパラメータ(基本変数)からなる、非常にシンプルな指標である。図1に、多くの読者が一度はご覧になったことがあろうPUEの算出式を示しておく。PUE値が2.0以下で低消費電力型と概ねみなされ、トップクラスのデータセンターでは1.1~1.3台を達成している。

図1:データセンターの電力効率指標であるPUEの算出式(出典:データセンター完全ガイド)
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