[市場動向]

IoT領域で新製品を投入する──インフォテリアが事業戦略説明会を開催

2015年7月17日(金)川上 潤司(IT Leaders編集部)

インフォテリアは2015年7月16日、報道機関向けに事業戦略説明会を開催した。6月の株主総会後、当該年度の事業戦略をあらためて説明する場として、毎年開催しているものだ。平野洋一郎社長が、企業システムが変革期を迎える中での同社の重点施策を解説した。

 事業戦略説明会では、取締役/監査役などのコーポレートガバナンス体制、シンガポールを中心とするグローバル展開、IFRS(国際会計基準)の適用、社会貢献活動といったビジネスに関わる幅広い内容が語られた。ここでは、製品サービスの話題を中心にフォーカスポイントを取り上げる。

インフォテリアの平野洋一郎社長。ここ最近は、1カ月のうち3週間をシンガポールで、残りを東京で過ごすのが標準的な業務スタイルになっているという

 「今後、企業システムに必要な機能やサービスのほとんどがクラウド上に存在するようになり、そこでは、提供される、あるいは内製する“マイクロサービス”同士をつないでシステムを組み立てることが主流になる。極論すれば、企業の持ち物はデータだけになる」──。発表会の壇上に立った平野洋一郎社長はこう話し、企業システムのアーキテクチャが“真のSOA(サービス指向アーキテクチャ)”に向かっていくという認識を示した。

 インフォテリアは、XMLを中核とするデータのハンドリングや、それによる価値創出を旗印に1998年に創業。「時代の変化を見据えれば、データをうまく連携させる仕組みや、自由かつ安全に持ち出す仕組みの重要性は高まるばかり。当社は創業時の事業コンセプトから揺るぐことなく、この領域に継続的にフォーカスして製品サービスを展開していく」と平野社長は強調した。

 同社の目下の主力製品は2つある。1つはデータ連携ミドルウェアの「ASTERIA WARP」。もう1つはモバイル向けコンテンツ管理の「Handbook」だ。

 ASTERIA WARPは、前身のASTERIA R2を2002年にリリースして以来、順調に案件を増やし、2015年5月末時点での導入企業数は5020社になった。さらに導入を促進するための重点施策として、(1)パートナーとの協業体制の拡充、(2)ユーザー会の立ち上げ、(3)月額24万円~のサブスクリプション課金体系の定着、に力を注ぐという。

 Handbookに関しては、2015年3月末で導入件数が816件に達したことを公表した。直近1年(2015年3月期)の新規案件は166。同製品にはオンプレミス版とクラウド版があるが、後者の比率がすでに90%を超えたという。企業のモバイルシフト、クラウドシフトの一端が垣間見える数字だ。2015年度は、(1)販売チャネルの拡大、(2)インサイドセールスの展開、(3)機能のブラッシュアップに力点を置く。

 平野社長はさらに、IoT(モノのインターネット)の領域に第3の柱を打ち立てる構想に言及した。「企業システムはこれまで、PCやインターネットといったITの新潮流によって15年ほどのサイクルで大きく姿を変えてきた。注目すべきはIoTの胎動。様々なデバイスが主流に躍り出る時代が到来する。併せて、企業や事業の“トライブ化”が加速する。そこで求められる基盤を提供していくことが当社の大きなミッションだ」(平野社長)。

 具体的には、企業がIoTのテクノロジーを活用するためのサービス基盤として、コード名「Gravity」を開発しているという。Gravityは当初、タブレットなどのモバイル端末を主軸に事業部門の現場担当者がIT化を進める、いわゆるEUC(エンドユーザーコンピューティング)ツールとして開発がスタート。その途上、昨今のデバイス多様化の動きを睨み、IoTも視野に入れたサービス基盤として設計し直した経緯がある。入力系やプロセス系など「実態は、マイクロサービスの集合体に近い」(平野社長)とし、その一部は2015年度中から順次、提供を開始する予定だ。

 グローバル展開に力を注ぐ同社は、Gravityをはじめとする新製品は今後、英語市場から投入するという。現在の海外売り上げは約3%、「東京オリンピックが開催される2020年ころまでには、英語圏を含む海外での売り上げが半分を占める水準まで持って行きたい」という意気込みもを示した。

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