[調査・レポート]

M2M普及率のトップはアジア・中東・アフリカ地域―ボーダフォン調査

2015年9月9日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

アジアの企業は、M2M(Machine to Machine)テクノロジー導入加速によって、世界のライバルたちをはるかに凌駕している―ボーダフォンは、「2015年度版M2M普及状況調査レポート」の中で、アフリカ・中東・アジア太平洋地域の普及率がもっとも高かったことを明らかにしている。同地域の普及率は35%で、グローバルの平均普及率27%を大きく上回った。

 M2Mは、機器同士がネットワークでつながり、相互にデータのやり取りを行うシステムのことだ。ボーダフォンの見解では、IoTは消費者向けから産業向けまで幅広くカバーしているのに対し、M2Mは以前から産業界に根ざしたものとなっている。

 「2015年度版M2M普及状況調査レポート」は、2013年度から行われているボーダフォンの独自レポートの最新版。調査は16ヶ国を対象に行われており、その16ヶ国を米州、欧州、アフリカ・中東・アジア太平洋(AMEAP)の3地域に分けている。内訳は米州が米国、カナダ、ブラジル、欧州がドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、英国、AMEAPが日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド、トルコ、南アフリカ。

 調査によると、グローバルでのM2M導入率は27%で2014年度の22%から約23%の成長率となった。2013年度調査ではわずか12%だったことから、いかにM2Mが急速に普及しているかがわかる。また、2年以内にM2Mを導入する計画を立てている企業が37%あり、順調にいけば、2017年度には60%以上の企業がM2Mを導入していることになる。

 次に、地域別の普及率を見ると、米州が17%、欧州が31%、AMEAPが35%で、AMEAPが最も高かった。ボーダフォンは、中国や韓国のようにIoTを政府の方針として推進している国が多いことや、新興国がITや通信インフラの導入を非常に早いスピードで進めていることなどが要因として考えられるとしている。

 一方、普及率の伸びが最も大きかったのは、2014年度の21%から31%まで伸びた欧州だった。これは、ドイツのIndustry4.0と自動車業界がけん引役となっている。欧州全体ではエネルギー・ユーティリティ(水道・ガスなどの公益事業)、小売業の伸びが顕著となっている。

 普及率が前年度と同じ17%にとどまった米州は、今回からカナダが調査に加わったことでわずかな変化に終わった。米国に限って見れば、IoT関連のコンシューマーデバイスやスマートホーム、スマートビルディングの普及率は最も高い。2015年から2020年にかけてのM2Mコネクション数は、米州で2倍になるという調査会社の予測を紹介しており、もっとも成長の可能性を秘めた地域だと結論付けている。

 業界別の導入状況では、エネルギー・ユーティリティが37%で最も多かった。次に多かったのが自動車と小売で32%、以下家電29%、ヘルスケアおよび製薬28%、運輸および物流が19%と続いた。製造業は17%だった。2014年度の調査では、トップが家電で29%、続くエネルギーおよびユーティリティと自動車が28%、次に製造業が20%という順位だったので、1年間で順位が大きく変わったことになる。また、2014年度に普及率30%を超える業界はなかったが、2015年度には3業界が超えており、普及が急速に進んでいることがわかる(図1)。

図1:M2Mの業界別導入状況(出展:ボーダフォン)
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 最後に、M2M導入によるメリットについて導入済み企業に聞いたところ、83%がM2Mで競争優位を獲得できたと回答している。また、高いROI(投資対効果)を獲得できたと答えた企業が59%、導入後12ヶ月以内にROIを確保できたとする企業も54%に達している。多くの企業がM2M導入にメリットを見出しているようだ。

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