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Google、MSのメールサービスに真っ向勝負!サイバーソリューションズの武器と勝算

2015年9月18日(金)田口 潤(IT Leaders編集部)

企業向けのクラウド型のメールサービスは選択肢が豊富な分野だ。高いシェアを持つのはGmailとOffice365という外資勢。そこに企業向けメール専業のサイバーソリューションズが「真っ向勝負を挑む」という。どんな武器を擁しており、そして勝算はあるのだろうか?

 企業向けメール専業のサイバーソリューションズが2015年9月16日、パブリッククラウドによる法人向けメールサービス「CYBERMAILΣ」の機能強化を発表した。その骨子は、(1)1アカウント当たりのメールボックス容量を現在の20GBから100GBに増やす、(2)万一の障害発生時にも業務継続できるようリカバリーに新たな方式を採り入れる、の2点(図1)。外資勢への武器になるのだろうか。

図1:主な企業向けメールサービスの料金とメールボックス容量の比較図1:主な企業向けメールサービスの料金とメールボックス容量の比較
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 (1)メールボックス容量から。CYBERMAILΣの月額利用料は1アカウント当たり500円(年一括払いの場合は450円)で20GBのメールボックスが使える。これに対しGmailは月額600円(同500円)で30GB、Office365は契約にもよるが月額650円(同540円)で50GBになっている。

 おおむね互角だろう。そもそも20GBもあれば十分に思えるが、サイバーソリューションズの秋田健太郎社長は、「商談では『GmailやOffice365より容量が少ないのは納得しにくい。50GBは欲しい』と言われる」と話す。なので、「思い切って100GBにすることにした。料金はもちろん据え置く」というのが、今回の機能強化である。仕様上100GBのメールボックスを用意したとしても、「そこまで使う利用者はほとんどいない。従って大きな投資は不要」という読みもあるようだ。

 一方、(2)のリカバリーはどうか。地味で、やや複雑な機能だが、実質的な意味は大きいはずだ。秋田社長によれば、「実はGmailもOffi365も、サービス停止を伴う障害が結構、起きている」。同社のCYBERMAILΣでは、「過去6年、深刻な障害はゼロだが、ネットワーク遅延などはまれに起きる。理論上、トラブルフリーにはできない」(同)という。

 遅延や一時的な障害ならまだしも、今夏には一般消費者向けのYahoo!メールのデータが一部消失する事故が起きた。当然、自然災害などでデータセンターが使えなくなる可能性もある(図2)。「その対策がバックアップであり、当然、どの事業者も実施している。だがバックアップのデータを本番系に戻すには時間がかかる。大容量のメールボックスを提供するクラウドサービスでは必然的に時間が長くなるので、その間はメールを受け取れないし、出すこともできない」(秋田社長)。

図2:データセンターの運営に“絶対”はない図2:データセンターの運営に“絶対”はない
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 そこでサイバーソリューションズは、「大量のメールを管理している利用者でも、普段、必要とするのはせいぜい直近1カ月分」(秋田社長)という点に着目。国内に合計3拠点あるデータセンター「Σクラウドセンター」で相互に1カ月分のメールをアーカイブし、あるセンターがダウンした際には別のセンターで即座に処理を引き継ぐようにした(図3)。引き継いだセンターは直近1カ月分のメールしか保持しないが、それ以前のメールも順次、復旧する仕組みにしたという。

図3:「Σクラウドセンター」間でのバックアップの体制図3:「Σクラウドセンター」間でのバックアップの体制
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 ちなみにサイバーソリューションズは、企業向けメール関連製品専業ベンダーとして、企業内設置型のサーバーソフト「CyberMail」やアーカイバー「MailBase」、メールサービスの「CYBERMAILΣ」などを提供している。企業向けとして、グループウェア連携やメール監査、職制に応じた利用権限の設定などができる。国内の利用企業数は9500社。CYBERMAILΣの利用者数は20万アカウント強であり、月額500円の利用料金の2%をチャリティに寄付している。

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