[失敗しないモダナイゼーション〜マイグレーションを成功させよ〜]

【第9回】最も手間が掛かる帳票のマイグレーション

2015年9月28日(月)松本 吉徳

モダナイゼーションを成功に導くためには、リスクを軽減しながら、かつコストを抑えたマイグレーションを実施しなければならない。それには考慮すべき8つのポイントが存在する。今回は、マイグレーションにおいて最も手間が掛かる帳票について考えてみる。

図1:帳票は最も手間が掛かるマイグレーションのステップ図1:帳票は最も手間が掛かるマイグレーションのステップ
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 帳票は、マイグレーションの対象としての難易度は、それほど高くはない。物理的な印刷装置や帳票ミドルウェアなどの変更が、多くの帳票を出力するアプリケーションに影響を与える。しかし、これらの変更により、帳票を出力するためのアプリケーションのビジネスロジックに大きなインパクトが発生するケースは少ない。

 従って、ビジネスロジックに大きな変更がなければ、帳票に印字するデータそのものへの影響も少ない。印字するデータについては、ツールなどを使って機械的に確認することもできる。

 しかし、帳票の表示に関しては、物理的な印刷装置や帳票ミドルウエアなどの変更により大きな影響を受ける(図1)。帳票の表示は、目視による確認や印字位置の微調整などをすべての帳票に対して実施しなければならないうえ、ツールで機械化できない割合が高い。結果として、人手による作業が必要になる。

専用用紙や印字位置が指定されている帳票がやっかい

 マイグレーションでは、「現行システムと新システムの比較検証」を実施するのが一般的だと第7回のテストの項で述べた。だが、帳票出力されたデータは単純に比較検証はできない。プリンタの制御コードやシフトコードなどの違いがあるためだ。そのため、制御コードやシフトコードなどを加工した上で比較検証を実施する。

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