[事例ニュース]

東証が基幹システム「arrowhead」をリニューアル、リスク管理機能などを追加

2015年9月25日(金)川上 潤司(IT Leaders編集部)

東京証券取引所は、業務の中核となる株式売買システム「arrowhead」をリニューアルし、2015年9月24日から運用を開始した。市場環境の変化に合わせた機能追加や性能改善が骨子。プロジェクトを支援した富士通が、同日に発表した。

 arrowheadは、2010年1月に本稼働した株式売買システム。メインフレームから、IAサーバー/Linuxのオープン系に切り替える大規模プロジェクトとあって、本稼働に至った際にはIT業界でも大きな話題となった。一定水準の高速性と信頼性を備えたものだったが、証券取引を巡るグローバル化の加速や、“超”がつくほどのスピード化などを背景に、システムの強化が必要となった。2012年12月にリニューアルプロジェクトを発足し、今回の新システムリリースに至った。

 強化点の1つはリスク管理機能の追加。昨今は取引の電子化・高速化が進み、とりわけアルゴリズム取引が占める割合が増えている。ここにおいては、例えば機関投資家のシステムと東証のシステムとの間で異常切断があったり、アルゴリズムの誤動作で不測の注文が発注したりといったことに整然と対処する必要がある。コネクション異常切断時注文取消(キャンセル・オン・ディスコネクト)、注文の強制抑止(キルスイッチ)、ユーザーによる代金上限の設定(ハードリミット)などの機能を追加し、想定外の事象発生による混乱・損失を未然に防ぐ手立てを打った。

 システム全体の処理能力も強化した。注文件数の増加や短期集中といった傾向は各国に共通するもの。そうした中でも安定的に取引できるようにすべく、欧米の取引所はシステムの応答性能の追求に余念がない。今では「ミリ秒」を切る世界に突入している。東証としても他国に比肩するだけの性能を担保しなければ、グローバルでポートフォリオを組む大手投資家に日本株を敬遠されかねない。

 サーバーやミドルウェアなどシステムの構成要素を最新のものに刷新するなどした結果、注文応答時間は約1.0ミリ秒→0.5ミリ秒未満、情報配信時間は約2~2.5ミリ秒 →1.0ミリ秒未満、1日の注文件数は1億3700万件→2億7000万件へと改善を図った。

 プロジェクトは富士通が全面的に支援。新しいarrowheadには、同社のサーバー「PRIMEQUEST」「PRIMERGY」、ミドルウェア「Primesoft Server」、 垂直統合マシン「PRIMEFLEX for HA Database」などが組み入れられている。

【プロジェクトの概要】
ユーザー名 東京証券取引所
事業内容 証券取引
導入システム 株式売買システム「arrowhead」のリニューアル
導入目的 グローバル化/高速化が進む取引に対応するための機能と性能の強化
主な利用製品 サーバー「PRIMEQUEST」「PRIMERGY」、ミドルウェア「Primesoft Server」、 垂直統合マシン「PRIMEFLEX for HA Database」など(富士通製)


 

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