[新製品・サービス]

富士通がIaaSを強化した新たなクラウド基盤を発表

2015年9月30日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

企業システムのクラウド化の波は止まらない。もはや大手企業の基幹システムでさえも、クラウド化が珍しくなくなっている。2015年9月29日に富士通が発表した次世代クラウド基盤「MetaArc(メタアーク)」も、クラウドに対するユーザーニーズの高まりに応えるためのものだという。MetaArcをプラットフォームとする新サービスは、2015年10月から提供開始される予定だ。

 富士通の次世代クラウド基盤「MetaArc」は、プライベートやパブリックなど様々なスタイルのクラウドサービスに加え、クラウドを活用した先端的サービスの提供基盤ともなるものだ。それはモバイルやビッグデータ、IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)など多岐に渡る。また、アマゾンウェブサービス(AWS)が圧倒的な強さを見せているIaaSのシェアを奪うための戦略的製品に位置づけられている。

 MetaArcの中核となるのは、IaaS(Inflastructure as a Service)とPaaS(Platform as a Service)の機能を併せ持った「Fujitsu Cloud Service K5」(図1)だ。IaaS環境を構築するためのオープンソースソフト群であるOpenStackと、オープンソースPaaSであるCoud Foundryがベースの、オープンな仕様のクラウド基盤となっている。信頼性を求められる従来型のシステムであるSoR(System of Record)と、スピードや柔軟性が求められるSoE(System of Engagement)の双方に対応している。

(図1)K5には4+1の提供形態が用意されている
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 5Kは、ユーザーのシステム要件に応じて4つの提供形態を用意した。仮想共有型の「パブリッククラウド」は、仮想マシンが1時間あたり1037円から利用できる。仮想/物理専有型の「バーチャルプライベートホステッド」は、基幹系システムのクラウド化に利用できる。クラウドサービス基盤が専有型となっている「デディケーテッド」は、複数企業で利用する業界クラウドでの利用を見込んでいる。「デディケーテッド オンプレミス」は、クラウドサービス基盤をユーザーのデータセンターに構築するオンプレミス型サービスだ。

 また、プライベートクラウド向け垂直統合型商品の「PRIMEFLEX for Cloud」に、K5と同一のアーキテクチャーを採用した新製品を追加した。これをK5の4モデルと合わせた「4+1」としてクラウド基盤サービスにラインナップする。

 従来から提供している先端的なクラウド基盤サービスについては、機能を強化してK5上から提供する。モバイル活用基盤の「MobileSUITE」は、モバイルアプリ・コンテンツや端末、ID・認証などの管理機能、アプリ配信機能を提供するモバイル向けサービス。今回、これまで手組みで開発していたシステム連携API管理やゲートウェイ、音声認識などの機能を部品として用意、「業務システム連携オプション」として提供することにした。新機能の提供開始は2015年12月1日。

 IoTデータ活用基盤の「IoT Platform」(図2)は、大量のセンサーデータを処理するIoT(Internet of Things)に特化した基盤サービスだ。今回、富士通研究所が新たに開発した広域分散処理技術「ダイナミック リソース コントローラー」を新たに搭載した。新技術は、センサーデバイスからのデータを中間サーバーとして受け取るエッジサーバーとクラウド側のサーバーとの間で、環境変化に応じた最適な分散処理を高速で実施する。これにより、突発的な通信量の増加などにも自動的に対応できるようになるとしている。価格は、初期費用5万円、サービス利用料が月額5万円から。提供開始は2016年2月29日。

(図2)IoT Platformにはダイナミックリソースコントローラーという新技術が搭載された
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 富士通は今回の新たなクラウド基盤で、AWSで多く見られる既存システムのクラウド移行にも積極的に対応していきたい考えだ。これまで同社のクラウドの大型案件では、手組みのプライベートクラウドなどが多かったため、クラウド移行のノウハウがあまり蓄積されていなかった。そこで、富士通グループ内の約640のシステムを2020年までにすべて新クラウド基盤に移行していくプロジェクトを2015年9月より開始している。このノウハウをリファレンス化して、ユーザーに提供していきたい考えだ。
 

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